安房4市町で計261人が避難 鉄道など交通乱れる 台風7号の影響(千葉県)
台風7号は16日、非常に強い勢力を維持して房総半島の東海上を北上した。安房地域の3市1町では、計29カ所の避難所が開設され、同日正午現在で計261人が避難した。JR内房線、外房線と高速バスが運休するなど交通が終日乱れた。 気象庁によると、台風7号は16日正午時点で八丈島北東の海上を時速20キロで北上。中心気圧は950ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は45メートル、最大瞬間風速60メートルの暴風を伴い、非常に強い勢力を維持している。16日夕から17日未明にかけて房総半島に最も接近すると見込まれている。 ■避難所 台風の接近に伴い、安房地域の自治体は15日午後以降、各地に避難所を開設し、住民が自主的に避難した。各市町によると、16日正午時点の避難所の開設数と避難世帯数・人数は、▽館山市=10カ所(72世帯98人)▽鴨川市=8カ所(41世帯66人)▽南房総市7カ所(54世帯78人)▽鋸南町4カ所(19人)――となっている。 このうち、館山市コミュニティセンター(同市北条)には同時点で41世帯、58人が避難した。避難した住民は、段ボール製のパーティションで区切られたスペースで世帯ごとに身を寄せていた。 妻と2人で避難した同市沼の80代の男性は「2人とも足が不自由なので早めに避難した。2019年の台風では屋根瓦が飛ばされるなどしたので、家の無事を願う」と話した。同市下真倉の70代の女性は「家が古くて強い風が怖いので友達と避難した」。自宅に置いてきた5匹のネコが心配だという。 ■交通 JR内房線と外房線は、千葉駅と館山駅、安房鴨川駅間で早朝の時間帯は列車を運行したが、16日午前8時以降、順次運転を見合わせ、11時以降は全面運休とした。 高速バスは、安房の各地と都内や千葉市内を結ぶ路線のほぼ全てで運転を見合わせた。 自動車専用道では、東京湾アクアラインが全面通行止めになった他、館山道で最高速度が80キロに規制された。 ◇ ◇ ◇ 台風7号の影響は17日にかけて続くと見込まれ、各市町と消防は、大雨や強風などに警戒するとともに、不安がある場合は早めに近くの避難所などに避難するように呼び掛けている。