「30センチ必要なのに厚さたった3センチ」南海トラフ地震でう回路のトンネル工事やり直し なぜ起きた?現場所長の誤った認識と目視のみの確認…2年かけたのにやり直し
「早く完成を」「なぜそんなことに?」住民からは厳しい指摘も
和歌山県はトンネル付近の住民らを集めて1月下旬に2日間にわたり住民説明会を行いました。 約2時間弱にわたり、トンネルが所在する那智勝浦町と串本町の住民ら計約40人に対して、これまでの問題発覚の経緯から今後予定されている工事の内容などに関して説明が行われました。 住民からは「完成を早くしてくれ」「なぜそのようなことになったのか」など厳しい指摘をする声も上がったということです。
2年かかったのに…また2年かけ工事やり直しへ
「ほぼ全面的にやり直す必要がある」こう判断された補修工事は、去年12月から淺川組が工事を開始しました。トンネルは本来、去年12月から供用開始の予定でしたが、工期には2年がかかる見込みだということです。 県によりますと、浅川組は和歌山県内で2005年~2019年にかけて11のトンネル工事に単独もしくはJVの形で関わっていたということですが、県は今回以外のトンネルについても施工不良がなかったかを全面的に調査を行う方針です。 また、2月20日に和歌山県は適切な工事の段階確認の不備があったとして、県職員ら6人を「厳重注意」処分にしました。 南海トラフ地震などいつ起きるか分からない災害に備える目的で作られた「八郎山トンネル」。施工業者が大きな責任を担うことは言うまでもありませんが、完成を待っている住民のためにも1日も早い施工完了が望まれます。