門田隆将氏「尖閣1945」映画化、石垣市がクラファン開始 疎開船攻撃の史実「後世に」
作家でジャーナリストの門田隆将さん(66)のノンフィクション「尖閣1945」(産経新聞出版)が映画化されることになり、18日、東京都内で発表会見が行われた。先の大戦末期に同諸島の魚釣島沖で日本の疎開船が米軍機に攻撃され、数十人が犠牲になった事件の映画化。製作資金のクラウドファンディングも発表され、沖縄県・尖閣諸島を行政区域に含む石垣市の中山義隆市長は「地元でもほとんど知られていない史実を後世に残すことには大きな意義がある」と強調し、幅広い支援を呼びかけた。 【写真】門田隆将さんのノンフィクション「尖閣1945」の表紙 監督は沖縄戦を描いた映画「島守の塔」の五十嵐匠さんが務める。完成は令和8年夏ごろ。総事業費の約3億円は、ふるさと納税制度を使った「ガバメントクラウドファンディング」や、企業版ふるさと納税を財源とする。 映画の題材となる事件は昭和20年7月に発生。石垣島から台湾に向け航行中の疎開船2隻が米軍機の攻撃を受けて1隻は沈没、もう1隻も航行不能に陥り無人島の魚釣島に漂着。かつて日本人が生活していた同島には真水はあったが食料がなかったため餓死者も出る事態に。若者有志8人が助けを求めるため約170キロ離れた石垣島に小舟で向かい、魚釣島の生存者全員が救助された。 会見には関係者も同席。門田さんは「魚釣島には今も日本人の遺骨がたくさん埋まっている。日本人が熱い思いを寄せる尖閣諸島が日本固有の領土であることを改めて知ってほしい」と話した。五十嵐さんは「来年は終戦80年。戦争がもたらしたものを100年残る映画として若い人たちに届けたい」とした。 クラウドファンディングの詳細は、石垣市尖閣諸島対策室の特設ページ。