耐久性と防水性に優れたタフなバックパック「マウンテンハードウェア」の「スクランブラー」はなぜ人気なのか?
容量35Lで重量1180gというのは数値だけ見ても軽量だが、本体の背中側にアルミフレームとフォームが入っているので背負うと安定感があり、より軽く感じる。アルミフレームとフォームは取り外し可能だから、ウルトラライト指向にも対応。トップの雨蓋を外せばさらに軽量化が図れる。雨蓋を装着すれば防水性が高まる。場合によってチョイスできるのはうれしい。バックパックをいくつも所有しなくて済む。 「両サイドについているコンプレッションストラップ(上部の水平方向のストラップ)も取り外し可能です。雨蓋を前面で固定する一本締めのストラップ(垂直方向のストラップ)も取り外せるので、とことん軽量化したい場合やシンプルに使いたい場合はすべて外して使うことができます。 一本締めのストラップは伸ばすことも縮めることも自在にできるので、長めに調節すれば登山用ロープなどのギアを装着することも可能です。このあたりはクライミングロープを使う方向けの仕様ですね。エキストラの荷物の固定は、一本締めストラップの他に、両サイドのコンプレッションストラップも利用できます」 コンプレッションストラップはバックパックの容量に余裕があるとき、本体内部の荷物がブレないように外側から締めておくものだが、テント泊のマットなどを装着する人も多い。あまり大きなものより、たとえばシエラカップや熊鈴など、ちょっとしたものを掛けておくのに重宝だ。 「左右のデイジーチェーン(前面に固定されている数珠つなぎ状の縦長ストラップ)の下端のループにトレッキングポールの先端を通し、持ち手の側をデイジーチェーンの上部についているコードで留めるとポールを固定できます。アックス(ピッケル)は金具をバックパックの下部のホルダー(前面にある横向きの共生地ポケット)に通し、やはり持ち手の側をデイジーチェーンの上部のコードで留めます」 デイジーチェーンにカラビナで小物を吊ったり、ストラップを追加したりして荷物を外付けすれば、容量以上の装備を持ち運ぶことも可能だ。製品のポケットを増やすと重量が増し、耐久性も損なわれがちだが、シンプルな「スクランブラー」は軽さと丈夫さと拡張性を兼ね備えているのが、評価の高さにつながっているという。