加賀の民家にクマ 山代の住宅街 成獣1頭駆除
10日午前7時20分ごろ、加賀市山代温泉北部2丁目の住宅敷地で、リフォーム業者の男性がクマ1頭を見つけ110番通報した。クマは住宅の窓ガラスを割ったとみられ、その後、近接する住宅敷地内に侵入。約3時間にわたって庭にとどまり、駆け付けた有害鳥獣捕獲隊員に駆除された。体長約1・2メートル、体重約60キロの雄の成獣だった。けが人はいなかった。 【写真】クマが出没した住宅街=10日午前11時半 クマを発見した男性(74)によると、午前7時10分ごろ、リフォーム作業を行うため住宅の窓を開けたところ、庭の木の下にクマがいた。クマが仁王立ちになって飛びかかってきたため「慌てて窓を閉めて家から逃げ出した」という。その後、この家の窓ガラスが割れているのが確認された。 クマは近くの住宅の敷地に移動。この住宅の女性(80)によると、午前8時ごろ、西側の部屋から外の様子を見たところ、クマが窓ガラスに向かって突っ込んできたという。室内にいた女性は「窓をたたいて追い払おうとしたら、クマがまたガラスに突進してきた。本当に怖かった」と振り返った。 市や大聖寺署によると、現場は市文化会館に南側に約80メートルの住宅街で、通報で駆け付けた署員が住宅敷地にいるクマを確認した。 市によると、同日午前1時10分ごろには、現場から約400メートル離れた山代温泉の県道交差点付近でも成獣1頭が目撃されていた。今月2日には同市河南町の山林で男性(77)がクマに襲われてけがを負っている。 石川県によると、今年に入ってクマの目撃情報は2日時点で269件と昨年同時期の150件を上回り、2005年以降で過去2番目に多くなっている。けが人も3人出ており、県はツキノワグマ出没警戒情報を発令している。