落書きではありません。SNSでも人気、メルボルンのストリートアート
初めてオーストラリアに行ったのは今から12年前。シドニーを中心に回った撮影だったので、ここに滞在したのはわずか1日。記憶に残っているのは、波打った屋根が夕日に照らされたサザンクロス駅。移動の慌ただしさから、ほっと一息ついたホテルの窓から見えた風景だ。 英国のエコノミスト誌の調査部門で「世界で最も住みやすい都市」に7年連続で1位に選出されている街、オーストラリアのメルボルン。昨年日本からの直行便も増え、観光でも注目されているという。“世界一住みやすい街”とは一体どんなところなのだろうか。あれから12年、そんなメルボルンの街を再び旅した。
サウスバンクからセントキルダロードにかけ、劇場や美術館などのアート施設が多く集まるアート区。入場無料の美術館も多く、メルボルンはアート作品巡りが楽しい街だ。 一方、街を歩いているとストリートアートもよく見かける。フェデレーションスクエアから大通りを挟んだ向かいのホージアレーンは、路地を入ると一面ペイントされた空間。ビルの壁から道路、ゴミの集積ボックスにまで至る。
一見すると落書きのようにしか見えないが、しっかりアートとして存在するグラフィティ。ここはグラフィティアートが認められているエリア。クリエーターが多く集まり、路地ではファッション、ブライダルの写真撮影場所として人気になっている。(つづく) ※この記事はTHE PAGEの写真家・倉谷清文さんの「フォト・ジャーナル<世界で最も住みやすい街メルボルンへ>倉谷清文第11回」の一部を抜粋しました。 (2018年3月撮影・文:倉谷清文)