監督の「3元号勝利」なるか バッテリーがけん引するクラーク記念国際 センバツ出場校紹介
2年連続2回目の出場となるクラーク記念国際(北海道)は、初戦敗退を喫した前回大会の雪辱と、悲願の甲子園初勝利を目指す。創部時から指揮する佐々木啓司監督は、昭和、平成に甲子園で白星を挙げており、令和も含めた「3元号勝利」を狙う。
エース右腕・新岡歩輝がカギ
道内でも屈指の豪雪地帯、深川市に所在するが、室内練習場などの設備は充実。今冬は道外で合宿を張るなど、ハンディ軽減に努めている。 昨秋の全道大会で2連覇を果たした。決勝までの4試合で失点はわずか4。北照や北海などという道内屈指の強豪校と連戦する厳しいブロックに入りながらも、安定した守りを見せた。
大黒柱はエース右腕・新岡歩輝(2年)。地区大会から全道大会まですべての試合で先発投手を任され、防御率は0・67と驚異の安定感を誇る。キレのある直球とカーブやシンカーなどの多彩な変化球を持つ。直球もナチュラルに変化し、捕手の麻原草太(2年)が「直球だからといって、最初から真っすぐ来るとは思っていない」と覚悟を持って臨むほど。相手打者の特徴や反応を観察し、腕の高さをスリークオーター、サイド、アンダーと変幻自在に変える投法が持ち味で、全道大会4試合を被安打18、自責点1に抑えた。
打線もバッテリーが中心
「前回大会に少し及ばないかな」と佐々木監督が評する攻撃面でも、バッテリーの2人が中心だ。新岡はシュアな打撃が持ち味で3番起用を想定。新岡と同じく、前回大会に出場している麻原は経験値が高い上にチームでも屈指の長打力の持ち主だ。チーム打率は3割0分4里。新岡はチームトップの打率4割の高打率で投打での活躍が期待される。
佐々木監督は、監督や部長として「ヒグマ打線」と呼ばれた駒大岩見沢(廃校)を春夏12回の甲子園出場に導き、通算9勝を挙げた名将。クラークで創部3年目にして夏の甲子園に初出場したが、初戦敗退。昨年に初出場した春のセンバツでも初戦で涙をのんでおり、悲願の全国初勝利を目指す。
名誉校長に冒険家の三浦雄一郎さん
「少年よ、大志を抱け」の名言を残した米国人、クラーク博士の精神を建学理念に掲げ、1992年に道内初の広域通信制高校として開校した。運営母体は学校法人・創志学園(神戸市)。全国65カ所で教育を展開し、1万人以上が在籍する。 生徒のニーズや興味にあった独自のカリキュラムが特徴。「国際・英語」「IT・プログラミング」「ダンス・演劇」「アート・デザイン」「スポーツ」などといった多彩な分野とコースがある。 校長は2022年4月に道教育委員会で教育長を務めた吉田洋一さんが就任。名誉校長はエベレスト世界最高齢登頂者のスキーヤーで冒険家の三浦雄一郎さんだ。卒業生に、14年ソチ冬季オリンピック・スノーボード女子パラレル大回転で銀メダルを獲得した竹内智香選手らがいる。