根室のハイヤー業界運転手不足 飲食業界と意見交換会
乗務員不足から夜間の営業時間短縮を余儀なくされている北海道根室市内のハイヤー・タクシー業界と、これによる客足減などに悩む飲食業界が5日、初の意見交換会を開いた。ハイヤー業界からは深刻なドライバー不足と高齢化、飲食業界からは客だけでなく店側の営業時間、売り上げにも影響が及んでいる現状が報告された。 北海道社交飲食衛生同業組合根室支部(千葉智人支部長)の呼び掛けに応じた市内の「根室ハイヤー」「中央ハイヤー」「ホクトタクシー」の代表と運転代行業者、観光協会、オブザーバーの市商工労働観光課が市役所で意見を交わした。 市内では、根室とホクトが日~木曜日を午前0時まで。金、土曜日は根室が同1時30分までを1台で運行、ホクトが同2時までを2台で回している。 中央は日曜に同0時まで、月~木曜が同2時まで。金、土曜日は24時間対応しているものの、運行台数は配車の3分の1の4、5台で回している。中央は車両15台。2016年に23人いた乗務員は現在13人と10人の減。年齢構成は40代2人、50代1人、60代と70代が各5人で「24時間の勤務態勢は難しい」と打ち明けた。 所有する10台のうち、稼働しているのは6台という根室ハイヤーの岡野忠春社長は「現状の運行も厳しい状況で、24時間運行となると、あと6人の乗務員が必要」と訴えた。 これに対し、飲食店側は「ハイヤー時間を気にして店側も営業を早めに切り上げざるを得ない」「夜間の電話受付時間を明確にしてほしい」といった声のほか、朝まで営業しているというバーの店主(38)は「営業を終えた店舗の人が『顧客と来店する』という流れがあったが、営業車の時短でその流れがなくなり、売り上げに響いている」と訴えた。 またハイヤー業界からは「少ない台数を効率よく運行するために、店に到着したらすぐ乗車してほしい」と、乗客の待ち時間がより効率を悪くしている訴えも。これに千葉支部長は「組合加盟店以外にも協力を呼び掛けるようにしたい」と応じ、今後も意見交換の場を設けること、国が解禁した一般ドライバーが自家用車を使って有償で客を運ぶ「ライドシェア」を研究することも確認した。
釧路新聞