吉田直樹コーチに教わる、飛ばせる体の回し方。「ヨコ回転は速く振れない。速く振る人ほどタテの動きを使っています」
女子プロの小祝さくら、高木萌衣、イ・ボミ、男子プロの片山晋呉、谷原秀人などを教えてきた、吉田直樹コーチが、今、ぶっ飛びゴルファーを教えている。現在、ハワイ大学に在学中でトーナメントプロを目指す大石敦也選手。ヘッドスピードは脅威の60m/sで、飛距離だけならPGAツアーの選手をしのぐ。「大石選手は地面反力の使い方が上手いんです。飛距離アップのポイントがたくさんありますよ」と吉田直樹コーチ。 330ヤード飛ばす大石敦也さんのドライバー連続写真はこちら
GD とてつもない飛距離を出す大石選手ですが、スウィングのどこを参考にすると、我々のような一般ゴルファーが飛距離アップできるんでしょうか。 吉田 いま、PGAツアーの若い選手を中心に、体の上下の動きを使って飛ばす選手がどんどん増えています。ハワイでゴルフの腕を磨く大石選手もそうで、左右に体重移動したり、体を回転させるヨコの動きではなく、タテの動きを上手く使っているんです。タテの動きは、誰もが速く、強く動けるんですよ。
GD タテの動きって、誰でも速く動けるんですか!? 吉田 そのゴルファーの最速を出すなら、タテの動きを取り入れることが絶対に必要です。 GD タテの動きですね。
吉田 切り返した瞬間、左足を踏みますね。次に左足を伸ばします。 GD 踏んで、伸ばす……。 吉田 切り返しで踏んで、ダウンスウィングの後半で伸ばすわけですから、「踏む」「伸ばす」というより、体の重心を上下させるように小さくスクワットする感覚に近いですね。このスクワットの動きで地面反力が発生して、クラブが急加速。右サイドでシャフトをしならせる感覚が生まれます。 GD スクワットですか! 吉田 小さく、強く、速くですから、「地面を蹴る」と言ったり、「右サイドでシャフトをしならせる感覚」と表現するプロもいます。短い素振り棒などを振ると、感覚をつかめますよ。
吉田 タテの動きをスウィングに取り入れて飛ばす大石選手の特徴がもっとも表れているのが、このインパクトです。 GD 頭が下がっていますね。 吉田 飛ばす選手は必ずこうなります。体の前傾角を保つというか、お尻を突き出して、むしろ前傾角が深くなっています。。頭が下がり、お尻が後ろに出るのが、飛ばすプレーヤーの特徴です。切り返しからスクワットするタテの動きをマスターすると、飛ばしに有利なこのインパクトに、少しずつ近づいていけます。 GD なぜ前傾角が深くなる? 吉田 左足を強く踏んで、強い地面反力を受けると、その力が回転に変わって、左腰が開いて後ろに引けていくからです。 GD 腰が前に出て。体が起き上がる我々のような一般ゴルファーとは真逆の動きですね。 吉田 でも、大丈夫。タテの動きを覚えていくと、少しずつコツがつかめてきます。 GD 大石選手自身はどういう感覚で振っているんですか? 大石 シンプルに「踏んで、上がる」をやっています。体を回そうとか、体重移動しようとか、そういう意識はまったくありません。タテの動きを使って、速く強く振ることは得意なので、この飛距離を生かして、より遠くに、より正確に飛ばすスウィングを研究しています。 === 頭が下がってもなぜダフらないのか? その疑問へのわかりやすい説明を週刊ゴルフダイジェストの2024年5月7&14日合併号で吉田直樹コーチが述べている。週刊誌か、Myゴルフダイジェストをチェック!
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