肌がカサついて困っている時に。旬の野菜たっぷりの献立【週末肌養生ごはんのレシピ】
穀物菜食の週末肌養生ごはん
「肌は内臓の状態を映す鏡のようなもの。肌にトラブルがある時は、内臓も疲れているのです。消化に負担がかからない穀物と野菜中心の食事で、胃腸を休めてみてください。腸内の働きが整うことで体内の循環が良くなり、肌も次第に元気を取り戻しますよ」 とは、菜食料理研究家の野本弥生さん。自身も40代手前の十数年前、多忙を極めた会社員時代に長野県安曇野市のリトリート宿泊施設で穀物菜食と出合い、心身の変化を実感した。 「出されたのは玄米ご飯と、根菜の煮物や漬物。見た目は地味でしたが、ゆっくりと噛んで食べたらおいしくて。少量でも満足感があって、たくさん食べたくならないことも新鮮でした」 何より翌日の、体が軽くなって思考がクリアになる感覚に驚いたという。 「以来、休みが取れると安曇野に通うという生活に。仕事に忙殺されてストレスが溜まっていた頃は肌の状態も悪くて、鏡に映る老けた自分にぎょっとしたこともありましたが、気づけばそんな悩みもなくなっていました」
やがて、退職を機にリトリート宿泊施設のスタッフとして働くことに。厨房の要として、味わいも見た目も楽しいメニューを提案し、利用者から厚い信頼を得るようになる。現在は独立し、移住した安曇野を中心に全国各地でリトリートや料理教室を開き、穀物菜食の魅力を伝えている。 野本さんの考え方はシンプルだ。 「まずは腸を元気にすることが大事。根菜や海藻、発酵食品を摂りながら、お腹が温まる汁物を。本当に疲れているときは無理に食べず、お吸い物や葛湯だけで胃腸を労るのも一案です」
今回、肌の悩み別に提案してもらったメニューはどれも滋味深く、体にしみるおいしさだ。 「忙しい人ほど自分のことは後回しにしがち。時間のある週末に、心と肌を養生する気持ちでゆったりと作り、楽しんでもらえたらうれしいです」
(肌養生ごはんのコツ)
●基本の調味料は良い素材のものを。 ●出汁は昆布+椎茸の水出しで。 ●味噌やきのこ、ナッツでうまみと食感をプラス。 野菜の繊細な持ち味を生かすために、調味料は天然素材で作られたものがおすすめ。煮物やスープは水で作っても充分おいしいが、昆布としいたけの出汁を使えばさらに風味がアップ。もの足りなく感じる時は、きのこや味噌、ナッツなどを上手に使ってメリハリをつけるとよい。