規模が大きいだけでは豪邸ではない…プール、プライベートカジノ付き大邸宅の中身を公開
家具や内装選びを住み手に任せることで、家づくりにオリジナリティを
家具や内装の仕上げは空間の雰囲気を決める重要な要素ですが、オーナーのAさんがすべて自分で選んでいます。これも森山さんならではの豪邸の設計手法です。 「通常は建築家が主導して提案し、建て主がOKするというスタイルだと思います。しかし豪邸の建て主には実現したい明確なイメージがある。それを形にすることが必要です。 もちろん建築やデザインのプロではないから選択や組み合わせがチグハグになることも。その際はこういう理由でこうしたほうがいいと詳細な住宅模型を使って示します。 内装の仕上げや家具の一つひとつまで3Dプリンターで忠実に再現。ボリュームだけでなくデザインやテクスチャーの相性まで誰でも一目でわかります。そのような模型で何度もチェックしながら修正を重ね、完成度を上げていくのです」
リビングの家具を決めるだけでときには半年かけることもあるという森山さん。それは、建て主が試行錯誤しながらも自身で決定したという事実、そのプロセスも大きな満足度につながることを熟知しているから。 家のなかでさまざまに楽しみたいというAさんの夢は、主体的に家づくりに関わることでより自分らしくオリジナリティあふれる形で結実しました。 (ML267号掲載)