「メルカリ ハロ」がサービス開始から3カ月で登録者数500万人を突破 なぜ今、スポットワークが人気なのか?
「お店ごとにルールや仕事のやり方は異なりますが、同じ業種であれば仕事内容が大きく変わるわけではありません。スポットワーク初日はとても不安だったのですが、お店の方が丁寧に教えてくれたこともあって、以降は不安なく働くことができています。どのお店も仕事の前にはちゃんと説明してくれますし、経験を積むごとに働きやすくなっています」(小泉さん)。 「メルカリ ハロ」では勤務終了後に給料がその場で確定し、登録している金融機関にすぐに振り込みが依頼される。将来的には、グループ会社のメルペイを通じて、メルカリの決済アプリ「メルペイ」での給与デジタル払いを実現する予定だ。
■人員を確保しやすくなった スポットワークではその都度、働きに来る人が異なる。それに対して、店側ではどのように感じているだろうか。今回、小泉さんが働いた「ドミノ・ピザ 西麻布店」の店長、星野亮さんにも話を聞いた。 「配達が初めての方には指導する時間をたくさん取るようにしています。ピザの配達を経験したことがある人には、すぐに仕事に取り組んでもらいます。さすがに在籍するクルーに比べると業務効率は劣るのですが、遜色ないくらいの人も来てくれて助かっています。
今はメルカリ ハロのワーカーの約半数がリピーターです。逆にうまく仕事をこなせなかった人は、おそらく本人もこの店は違うと思うのか、リピートはありませんね」(星野さん) ワーカーが気に入ったお店を「いいね!」することもでき、お気に入りに登録した人は募集に気付きやすい。 「早ければ1週間先までの応募が埋まってしまう状況です。これまでは当日に欠員が出たら在籍するアルバイトに声をかけるのですが、埋められないことが多かったんです。その場合、最寄りの店舗にヘルプを頼むのですが、それも無理なら欠員が出た状態で営業するしかありませんでした」(星野さん)
■市場が急拡大するスポットワーク スポットワーク協会によると、2024年5月末時点のスポットワーク登録会員数は2200万人にのぼる。2023年3月末からの1年間では約510万人の増加だったのが、2024年3月末からの直近2カ月では約700万人も増加。その要因は、「メルカリ ハロ」が本格始動したことが大きいだろう。 スポットワークはスタートアップ企業の「タイミー」がサービスを開始した2018年から始まり、人手不足に悩む事業者の積極的な導入や、副業を認める企業の増加などによって市場が拡大。現在、最大手となるタイミーは、導入事業者が約9万8000社、登録者数約700万人に上る(2024年2月時点)。