【闘病】「遠位型ミオパチー」 筋肉が萎縮していく治療法のない病 姉に続いて発症…
同じ病気の人の存在が心の支えに
編集部: 病気に向き合う上で、心の支えになっているものを教えてください。 上田さん: 同じ病気の患者の方でとても意欲的に活動してらっしゃる方や、車いすでもヘルパーさんに助けてもらいながら一人暮らしをしてらっしゃる方がいることを知ったことです。「進行しても大丈夫!」という気持ちになることができました。 編集部: もし昔の自分に声をかけられたら、どんな助言をしますか? 上田さん: 「やりたいこと、できることを今のうちに全部やっておくように」ですね。私自身は中学時代から社会人までスポーツをしていて、やり切ったというくらいやったので後悔はあまりないですね。 編集部: 現在の体調や生活などの様子について教えてください。 上田さん: 私は幸い同じ病気の方に比べて進行は遅いようで、診断されてから11年経った今でも一人暮らしで普通に生活できています。 しかし、年々確実に筋力は落ちているので、適度に動きながら今の生活を維持できるように気をつけています。薬や治療法がないので、今は筋力が落ちないように気をつけるしかないですね。
筋肉を鍛えると進行が早まってしまう危険性も
編集部: あなたの病気を意識していない人に一言お願いします。 上田さん: この病気はよくつまずくのが特徴ですが、運動不足と勘違いし、トレーニングをしてしまう方がいるかもしれません。筋肉を鍛えようとすることによって、逆に萎縮して進行が早まってしまうかもしれないので、おかしいと思ったらまずは病院を受診してみてほしいです。 編集部: 医療従事者に望むことはありますか? 上田さん: 現在は治療法がないので、薬の開発を頑張ってほしいです。 編集部: 最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。 上田さん: この病気になってから、様々な障害を抱えている方や病気の方と出会いました。それぞれの苦労はあるでしょうが、とても楽しそうに活発に生きていらっしゃいます。その姿を見て、とても勇気をもらいました。 私もその人達のように勇気を与えられるような存在になれるよう、日々楽しんで生きていきたいと思います。突然の病気やけがで動けなくなっても、今はコミュニケーションツールが発達しているので、同じような障害と闘っている方とすぐに繋がることができます。 繋がってみることで、助けてくれる人や楽しく生きていくためのヒントをくれる人など、自分にとってプラスになる人ときっと出会えると思います。