トライアウトを受ける鈴木将平を相手に65球を投げた高橋光成投手（撮影・平山連）

　西武の高橋光成投手（27）が13日、埼玉・所沢の球団施設で行われている秋季キャンプに参加した。 【写真】鈴木将平（右）を相手に65球を投げた高橋光成 　14日に12球団合同トライアウト（ZOZOマリン）を受ける鈴木将平外野手（26）のために一肌脱いだ。「BPしようか」と声をかけ、屋内練習場のマウンドから約5メートル前に立ち「4、5割程度」の力で65球を投げ込んだ。 　約20分間にわたる2人だけの練習を終え「近距離ではあるが、速いボールを体感できたと思う。明日はなんとか頑張ってもらいたい」と後輩にエールを送った。 　戦力外通告を受けた後、トライアウトに向けて黙々と打撃練習に励む後輩の姿を目にしてきた。グラウンドでは「いいバッターで、何度も助けてもらった」と感謝し、プライベートでは「ご飯に行ったり、野球の話をしたり」と交流を深めてきた。 　力になりたい気持ちが自然と行動に現れ、練習相手に指名した。「何がなんでも抑えたければ、こういうピッチャーもいるということだ」などと助言を交えながらコースを突き、変化球も織り交ぜた。 　先輩の粋な計らいに、鈴木は「生きた球を投げてもらったので、自信を持ってトライアウトに臨めると思う」と感謝。充実した練習を積み、高橋も「やっぱり野球が好きなんだなぁと改めて感じました」と穏やかな笑みを浮かべた。