ANA”最大の787″、羽田-札幌3/27就航 787-10国内線仕様429席
ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下の全日本空輸(ANA/NH)は、ボーイング787-10型機の国内線仕様機を3月27日に就航させる。羽田午前10時発の札幌(新千歳)行きNH59便が初便で、折り返しの羽田行きNH62便も同機で運航する。 【写真】ANAの787-10は787-9新仕様機と同じシート 787-10国内線仕様機の座席数は2クラス429席で、プレミアムクラス28席、普通席401席。シートは2021年12月9日に就航した787-9の国内線新仕様機と同じで、エンジンも同じくGE製GEnx-1Bを採用している。ANAの予約画面で表示される機材名は「78K」となる。 置き換え対象となる777-200ERは、2クラス405席仕様(プレミアムクラス21席、普通席384席)と、2019年11月16日に就航した新仕様の2クラス392席仕様(プレミアムクラス28席、普通席364席)の2種類がある。777と比べて提供座席数が増え、約25%の燃費改善が見込まれる。 投入路線は羽田-福岡・札幌(新千歳)線などの幹線を計画。2026年度までに11機導入する計画で、国内線主力機材を787に統一して高い効率性を目指す。 ANAHDは、2020年2月に787を最大20機追加発注したと発表。確定発注は超長胴型の787-10が11機、長胴型の787-9が4機の計15機で、このほかに5機の787-9をオプション発注(仮発注)した。787-10は国内線、787-9は国際線に投入する。エンジンはANAの787では初めてGEnx-1Bを選定し、追加発注分はすべて同じエンジンとなる。27日に就航を予定している787-10国内線仕様機の初号機(登録記号JA981A)は、この発注分となる。 JA981Aは、納入前の試験飛行が2月21日から行われている。当初は2023年秋の導入を計画していたが、ボーイングで787の納入遅延が発生しており、JA981Aの引き渡しも遅れている。今年1月末時点では、初号機と2号機を2月下旬に、3号機と4号機を3月末までに受領し、777-200ERの置き換えを始める計画だったが、1カ月近く遅れて引き渡しが始まる見通し。 ANAでGEnx-1Bを最初に搭載した機体は、787-9国内線新仕様機の初号機(JA936A)だった。また、日本で初導入したANAの787-10は、国際線仕様機が3機で、ロールス・ロイス製エンジンのトレント1000を搭載。2019年4月から東南アジアを中心に投入している。国内線仕様機の導入は、今回が初めてとなる。 787は標準型の787-8、長胴型の787-9、超長胴型の787-10の3機種で構成され、787-10は胴体がもっとも長い“最大の787”となる。全長は68.3メートルで、787-8(56.7メートル)と比べて11.6メートル、787-9(62.8メートル)より5.5メートル長く、大型機の777-200と比べると4.3メートル長い。設計と部品は787-9と95%共通している。
Tadayuki YOSHIKAWA