Wi-FiルーターやSIM調達は昔の話…旅行関係者の携帯キャリアが「ahamo」一択だった理由
実は「ahamo」の欠点はゼロではない、例えば…
海外旅行、また短期のビジネス出張であればahamoで十分なのは間違いない。ただ、欠点はゼロではないことに注意したい。 例えば、ahamoの対象国・エリアが、他の携帯キャリアが海外ローミングよりやや少ない。’24年3月現在、NTTドコモが200ヵ国・地域以上、au/UQモバイルが160ヵ国・地域以上である一方、ahamoは91ヵ国・地域だ。日本人が渡航する国・地域の98%をカバーしていても、残り2%の国・地域へ行く際は気を付けないといけない。 その国でahamoが利用できるとはいえ、国の隅々までカバーしているとは限らない。筆者が’23年秋に訪れたインドでは、デリーなど都市部こそ使えたものの、少し郊外に出た瞬間からまったく使えなくなった。有名なタージマハルがある都市アグラなど、ほぼ全滅。IT先進国といわれるインドではあるものの、都市部以外はまだまだ貧しく、インフラも整っていないためだろう。一方、韓国や台湾などのアジア主要国、アメリカ・ハワイや欧米などは問題なく使えたので、利用しやすさに「差」がある。 現地での通信速度も、ほぼ問題ない。ただ、ahamoの海外ローミングで「5G」対応の国・地域は、韓国、タイ、アメリカなど少ない。「5G」にこだわりたいなら、現地でSIM購入する必要がある。 さらに、海外滞在15日目から速度制限がかかる。月20GBを超えていなくてもだ。日本に帰国した後でないと解除できない。 一方、アメリカでは、ahamoより、ソフトバンクの「アメリカ放題」のほうが上。データ通信だけでなく通話、SMSも無料で利用できる。日本人の海外旅行先で人気のハワイも対象だが、グアム・サイパンが対象外なのに注意したい。 ◆現地到着すぐ使える便利さ、海外旅行で定番のトラブルもなくなった 海外旅行でネットを利用する機会は確実に増えている。特に、現地に着いてすぐネットが使えると大変ありがたいのが、例えば、空港からタクシーなどで移動したい時だ。 「Uber」「Grab」などのライドシェアをアプリで呼び、車をピックアップし、ホテルなどへピンポイントで行くことができる。空港のタクシー乗り場だと、運転手との会話が必要で、運賃のボッタクリでもめるトラブルが起きることも。一方、ライドシェアはその心配がほぼない。運賃は乗る前にわかり、支払いはアプリに登録済みのクレジットカードだと現金のやり取りも発生しない。街歩きがしづらい国・地域で、行動範囲も広がった。 街中でも、もちろん重宝する。カフェなどにWi-Fiがあっても、インドのように現地の携帯電話番号が必要でSMSを受信できないとWi-Fiを利用できない国もある。中国では「LINE」「X」などが、現地回線や現地購入SIMだと、グレートファイヤーウォール(金盾)の影響で接続できないが、ahamoなど日本の海外ローミングだと利用できる。