「北の富士さんをしのぶ会」八角理事長が号泣 声詰まらせ「同じように相撲人生を全う」誓う 2000人参列
11月12日に82歳で死去した、大相撲の元横綱で解説者としても人気を博した北の富士勝昭(本名・竹沢勝昭)さんをしのぶ会が18日、東京都墨田区の八角部屋で開かれた。角界関係者約350人、一般のファンも含めると約2000人が参列。弟子で日本相撲協会の八角理事長(61、元横綱北勝海)は涙ながらにあいさつし、故人を悼んだ。 【写真】北の富士勝昭さんの遺影と位牌 優しそうな笑顔が忘れられない 偉大な師匠との別れの場。会の発起人代表でまな弟子の八角理事長は、あいさつで感極まった。「14歳で親方に出会えたこと、そのおかげで今の私があります。かけがえのない出会いがなかったら、今の私はありません」と感謝。声を詰まらせて目頭を押さえ「親方への恩返しは大相撲の伝統文化を守り、未来への伝承に全力を尽くし、親方と同じように相撲人生を全うすること」と固く誓った。 優勝10回の名横綱であり、横綱2人を育てた名伯楽であり、歯に衣(きぬ)着せない物言いに豊かな知識とウイットを備えた名解説者だった。NHK大相撲中継の解説で故人との掛け合いが人気だった舞の海秀平氏(56)は「私を生かしてくれた。恩人ですね」と目を潤ませた。「張り合いがなくなりました」と肩を落としつつ「相撲に対する考え方、北の富士さんの思いは生き続けると思う。もう一度、思い出しながら解説していけたら」と決意を込めた。 豪快に笑う遺影は、2018年名古屋場所の際のもの。戒名は徳粋院殿釋勝縁大居士(とくすいいんでんしゃくしょうえんだいこじ)で「粋」の文字が入った。広く愛された北の富士さんの人柄を示すように、献花のために並ぶファンの列は、八角部屋がある区画をグルリと一周。200メートル以上にも伸びた。希代の相撲人との別れを、多くの人が惜しんだ。 ◆主な参列者 芝田山親方(元横綱大乃国)、出羽海親方(元幕内小城ノ花)、伊勢ノ海親方(元幕内北勝鬨)、高田川親方(元関脇安芸乃島)、陸奥親方(元大関霧島)、音羽山親方(元横綱鶴竜)、内田勝男(元大関豊山)、鈴木宗男(参議院議員)、松山千春(歌手)、天龍源一郎(元プロレスラー)、小橋建太(元プロレスラー)=敬称略