木村拓哉「僕の宝物の1つになりました」スペシャルドラマ『グランメゾン東京』 チームグラメ再集結の喜びを語る
「全てが僕の宝物の1つになりました」 『グランメゾン東京』との出会いで変わったこと
料理にまつわる思い出を聞かれると、木村は、尾花が鈴木京香演じる倫子に”手長エビのエチュベ”を食べさせるシーンを挙げる。劇中に登場したエチュベは、実際に木村が調理したもの。撮影の工程の中で、冷えたエチュベを倫子に食べさせたくないと思い、最終的には9皿ほど作ったというのだから驚きだ。 「たとえ簡単な工程だったとしても、人の体の一部になるものを自分が担うことへの責任と喜びを強く感じましたし、目の前で『どうしてこれが私には作れないんだろう』と涙を流す倫子さんを目の当たりにした瞬間、自分の中で凄くスイッチが入ったことを覚えています」と振り返った。 また、役との境界線が曖昧になったというエピソードも語られた。前作での撮影終りに鈴木京香と食事に行った際に、お店のカトラリーを見ながら「うちの店で出すカトラリーとしてはどう思われます? 木村さん」と聞かれたという木村。「役として話してるのに、そこは“木村さん”なんだ(笑)」と会場の笑いを誘った。 木村は、尾花夏樹という役に出会ったことで食事への意識が変わった、とも話す。 「ミシュランガイドという、ある種特殊な価値観の世界の中で、全身全霊をかけて向き合ってる方たちの存在を知ったことで、今はちょっとした添え物の野菜から何まで、すべて“命をいただいている”という意識で『いただきます』と言っています。作品そのものも、共演したスタッフたちも全てが僕の宝物の1つになりました」と力強く語った。 (取材・文:あさかしき) 映画『グランメゾン・パリ』 2024年12月30日(月)公開
あさかしき