アスクル火災、94億円に賠償増 東京高裁、保険金の相殺認めず
2017年に事務用品通販アスクルの埼玉県三芳町の物流倉庫で起きた火災は段ボール回収の作業が原因だったとして、アスクルが愛知県清須市の紙加工会社「宮崎」に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は8日、賠償額を一審判決の約51億円から約94億円に増額した。アスクルが受領した保険金による相殺を認めなかった。 判決は一審同様に火災原因を宮崎の従業員の過失と認定。一審は火災保険金として受領した約49億円を控除したが、相殺すべきではないと判断した。火災報知機が鳴ったのに誤作動と誤解してスイッチを切ったとするアスクル側の過失は一審の2割から3割5分に引き上げて賠償額を算出した。