円満な夫婦だったのに、同居きっかけで「セックスレス」に。不穏な空気の流れを変えた、41歳夫のレス克服の軌跡
母と妻の摩擦が家庭内へ影響する事態へ
「実は想定以上に子育てにお金がかかることもあって、私の経済力だけでは生活が厳しいことは明白でした。それで妻にもパートをお願いしたんです。もちろん妻も協力してくれるのですが、娘が幼稚園に通っているので、そうなると人手が足りなくなります。それで思い切って母親との同居を決断したという事情もあったんです」 実はアキラさんのほうから母親に同居の相談をしたそうで、当時を振り返ったときの状況について率直な気持ちを教えて頂きました。 「私が見逃していたのは、妻と母の間の微妙な摩擦でした。当然、母は少なからず昭和の価値観を持っており、家事や育児の方法について頻繁に妻にアドバイスをするようになりました。妻は最初は礼儀正しく受け止めていましたが、次第にその指摘がストレスとなっていくのが見て取れました。完全に私の判断ミスです」 次第に母と妻との間で、アキラさんは板挟みになることが多くなったそうです。母には母の考えがあり、妻には妻の考えがある。それぞれが正しいと感じている部分もありますが、それが衝突することで徐々に家庭内の空気が重くなっていき、家庭内のバランスが大きく崩れ始めたのです。
夫婦間のコミュニケーションの減少がセックスレスにつながった
「そんな環境が、夫婦間の性生活にも影響を与えていました。子育てと仕事と家庭に追われる毎日で、私たち夫婦は徐々に夜の生活を持つ機会が減っていきました。妻も私も精神的に疲れることが多くなって、お互いにその時間を楽しむ余裕を感じられなくなったと思います」 どうやら夫婦のレスは、ただ単に肉体的な疲れだけでなく、心理的な距離感からも引き起こされたようです。特に同居が始まってから、妻はますます家庭内でのプレッシャーを感じるようになり、それが夫婦間の性生活にも影を落としていたのです。 「セックスの回数が減るにつれ、私たちの関係にも変化が現れ始めました。本音で話すような会話も少なくなり、お互いに何を考えているのか分からなくなったかもしれません。そしてお互いに求めることがなくなり、1年以上のレスに突入しました。このままの状況を続けてはいけないと感じ、妻と私はそれぞれが感じているストレスや不安について話し合いました」 【前編】では、アキラさんの実母との同居やコミュニケーション不足から、良好だった夫婦仲に変化が生じてしまったという経緯をお伺いしました。 ▶続きの【後編】では、1年以上にわたるセックスレス、姑問題に起因する夫婦仲に生まれた溝を、みごと克服することができたアキラさん。どのようなことがきっかけだったのでしょうか?
ライター 山下あつおみ