「聖地」試合に歓喜 県内2校の選手ら /群馬
新型コロナウイルスの影響で中止となった第92回選抜高校野球大会出場校に阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)での試合機会を設ける「センバツ交流試合」の8月開催が決まった。県勢でセンバツ出場予定だった健大高崎と桐生第一の選手らは憧れの“聖地”での試合に喜んだ。県高野連の中西信之会長も「両校の選手たちの夢がかなえられたことを大変うれしく思う」とコメントを出した。 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 ◇「目の前が晴れるよう」 健大高崎、表情さわやか 「目の前が真っ暗だったのが晴れるような感じだ」 健大高崎高グラウンドで報道陣の取材に応じた戸丸秦吾主将(3年)の表情はさわやかだった。チームメートとともに一度はついえた甲子園に立てる喜びをかみしめた。 夏の甲子園の中止も決まり、大きな目標を失う中での吉報だった。青柳博文監督は「選手たちは甲子園に行きたいと思って入部してきた。今回の決定にほっとしている」と話す。出場選手は甲子園中止など苦しい思いをしてきた3年生のみで構成する予定だという。 今春のセンバツでは「スペクタクルベースボール」をチームのスローガンに掲げた。春に果たせなかった「見る人を魅了する野球」を最後の夏に体現する。戸丸主将は「群馬の代表としてプライドを持って戦いたい」と力を込めた。【妹尾直道】 ◇「全力を尽くしたい」 桐生第一、興奮気味に 「選手は甲子園を目指して頑張ってきた。そんな選手があこがれの場所に立つ姿を目に焼きつけたい」。センバツ交流試合の開催に桐生第一の今泉壮介監督は目を細めた。 4年ぶり6回目の出場を決めていたセンバツの中止に続いて、夏の甲子園も中止が決まり、最後の夏を戦えないないショックは大きかった。聖地での「最後の夏」が思わぬ形で実現し、広瀬智也主将(3年)は「うれしさで鳥肌が立った。気持ちを切り替えて甲子園では全力を尽くします」と興奮気味に話した。 現在はチームの全体練習はやめて、分散して自主練習を実施。主戦の宮下宝投手(3年)も「甲子園の初球はストレートを力いっぱい投げ込みたい」とうれしさを隠しきれなかった。「1勝」を狙って甲子園の土を踏みに行く。【川地隆史、大澤孝二】