【沢田康文の欧州競馬リポート】英で最も馬券が売れる「グランドナショナル」は仏産馬が初の1、2着
中山グランドジャンプと同じ13日、英国リバプール近郊のエイントリー競馬場で第177回グランドナショナル(約6870メートル、障害数30)が行われ、P・タウンド騎乗の1番人気アイアムマキシマス(愛=W・マリンズ、騸8)が2着に7馬身半差をつけて優勝した。 勝ちタイムは9分27秒68(重)で優勝賞金は50万ポンド(約9600万円)。ハンデ戦でGⅢの格付けながら、英国では最も馬券が売れる一戦で、世界最大の名物障害レースとして知られる。 馬の福祉が重要視される近年の傾向からレースの安全性を高めるため、今年は出走可能頭数が40頭から34頭に減少。また序盤のスピードを抑えるため、最初の障害が発走地点に60ヤード(約55メートル)近づけられ、発走方法もウオーキングスタートからスタンディングスタートに変更された。 レースは昨年の覇者コーラックランブラーが最初の障害で落馬競走中止となる波乱の展開となり、出走32頭中、完走は21頭だった。通算15戦6勝としたアイアムマキシマスは2007年英ダービー馬オーソライズドの産駒。2着デルタワークともに産地はフランスで、フランス産馬のワンツーは長いレース史上で初めてだった。(在仏競馬記者)