産地偽装 「間人ガニ」事件後初の漁始まる タグ不正使用に手を染めた水産会社は今 QRコード付きの新タグ導入でブランドの信頼回復なるか
■産地偽装の水産会社 「事件直後はクレームの電話鳴りやまなかった」
対策が進む一方で、産地偽装に手を染めた水産会社は今、どうなっているのか。漁の解禁が迫った先月末、取材班が現場に行くと… 犬伏凛太郎記者リポート:現場となった水産会社の加工場です。7か月前と外観は変わってないが、屋号のみが変わっているようです。 事件から7か月、会社の新しい代表が取材に応じた。 水産会社の新代表:東京の料亭から『間人ガニ』を求められたりするので、仕方なく…。 会社はタグを不正に付け替えていた男を解雇。いまは新しい代表の女性が切り盛りしているといいます。 水産会社の新代表:事件直後は『うちへ売られていたのは偽物だったのか』とクレームの電話が鳴りやみませんでした。事件以降、間人(たいざ)の他の会社とは、取引が全くできなくなりました。
■東京の料亭から『間人ガニ』を求められたりするので、仕方なく...
なぜ男は産地偽装に手を染めたのか問うと… 水産会社の新代表:間人は小型船なので(海が荒れると)何週間も漁に出られないことがあります。 それでも東京の料亭から『間人ガニ』を求められたりするので、仕方なく津居山のカニ(ズワイガニ)にタグをつけたんだと思います。 取材で見えてきたのは市場から求められる間人ガニの量と供給できる量の不一致。 なぜこのようなことが起きるのか。 間人漁港は小さな港のため大型漁船は入港できず、小型漁船は海が荒れると漁に出られなくなる。 実際に、今年の漁解禁を翌日に控え、その準備を取材していた時にも… 愛新丸 佐々木学さん:もう出れん、出港なしです。もう無理です。しけで。
■京都府「需要が多いは勝手な言い訳 。販売者は説明責任を」
高いブランド力による需要と供給量が安定していないという希少性が産地偽装の背景にあったのだ。 京都のブランド食材としてアピールしてきた府は、この現状をどう捉えているのか。 京都府水産課 川原崎尚志課長:需要が多いからどうのこうのは非常に勝手な言い訳でしかないと思っている。 限りある資源を限りある漁業者の中で確保して、それを販売している間人ガニがないのであれば、ほかの漁港の津居山や舞鶴を使っていただく。 『きょうは間人ガニがないので津居山のカニ使っています』と正直に言っていただく必要がある。説明責任を販売される方はしていただきたい。 日本の重要な観光資源といえるブランド食材をどう守り、信頼を積み上げていくのか。 漁業者、提供する店、行政、それぞれに求められることがある。 (関西テレビ 「newsランナー」2024年11月13日放送)
関西テレビ