ゆで卵、消費が変化 「作る」から「買う」へ 一品でおつまみ、丼物にも
5日は「いいたまごの日」。各メーカーが味付けしたゆで卵の商品を投入している。たれや黄身のとろけ具合を工夫し、おつまみや丼物の具材など幅広い支持をつかむ。「味付けゆで卵は『家で作る』から『買って食べる』へ、消費者の行動が変化している」(キユーピー) 【画像】 「ネギダレで食べるねぎ塩たまご」(キューピー提供) キユーピーによると、市販用の味付けゆで卵の2022年8月~23年7月の市場規模は30億円で、13年8月~14年7月比で約3倍に伸長している。 コンビニでの売れ行きも好調だ。ローソン(東京都品川区)はプライベートブランドとして「半熟くんたま」「煮たまご2個入り」「からむきゆでたまご」の3品を展開する。特に「半熟くんたま」が人気で、24年1~9月の売り上げは前年同期比で約5割増と好評だ。
味濃くし存在感 具材など幅広く
各メーカーでは、味付けゆで卵の商品を売り込む動きが出る。キユーピー(東京都渋谷区)は「ネギダレで食べる うま辛たまご」と「ネギダレで食べる ねぎ塩たまご」(2個入り、オープン価格)の2品を販売する。刻んだネギやごまが入ったたれに、ゆで卵が丸ごと2個入っている。そのままでもおつまみの一品になり、ご飯に載せれば簡単にボリュームのある丼物となる。この「ネギダレで食べる」シリーズは、ゆで卵を使ったご飯のおかずを目指して開発し、具材感や濃い目の味付けが特徴。気温が下がる秋冬シーズンには麺のトッピングやおでん、スープの具材など幅広く訴求する。味付けゆで卵市場の拡大とともに、販売当初から売り上げを伸ばし続ける。24年2~9月累計で150万個を売り上げ、売上高は2・5億円を突破した。直近7~9月では月間約15万個のペースで販売数量を伸ばす。同社は「新たなゆで卵の食べ方を創出し、卵の需要拡大につなげたい」と話す。
黄身はとろとろ 半熟加減が人気
丸金(東京都練馬区)は黄身がとろけ出るとろり食感が特徴の「ご褒美食感 半熟煮たまご」(2個入り214円)を販売する。味付けには岩手県の老舗しょうゆ店の魚醤(ぎょしょう)を使用。同社は「白身のやわらかさと黄身のとろっとした半熟加減が消費者に人気」と分析する。 鶏卵相場は外食需要の高まりなどを受け、堅調に推移する。鶏卵の建値となるJA全農たまごのM級基準値(東京)は11月(4日時点)が1キロ280円となり、過去5年平均比で26%高を付けた。業界関係者は「鳥インフルエンザの影響で加工用の需要が完全に戻り切っていないが、簡便に食べられるゆで卵商品の増加で需要拡大を期待する」と話す。
日本農業新聞