インテル、7~9月期で2・5兆円の赤字…AIブーム乗り遅れ創業以来最大
【ニューヨーク=小林泰裕】米半導体大手インテルが10月31日発表した2024年7~9月期決算は、巨額の構造改革費用を計上したことで最終損益が166億3900万ドル(約2・5兆円)の赤字に陥った。AI(人工知能)ブームに乗り遅れたことが背景にある。米メディアによれば、1968年の創業以来、最大の赤字となった。
前年同期は約3億ドルの黒字だった。最終赤字は3四半期連続。発表によれば、コロナ禍に導入したパソコン向け半導体の製造設備など、保有する資産の評価損によって159億ドル、約1万5000人の人員削減に関連して28億ドルの損失をそれぞれ計上した。売上高は前年同期比6%減の約133億ドルだった。新たな成長分野として注力してきた半導体の受託製造事業では58億ドルの営業損失を計上した。
インテルはかつて世界最大の半導体企業として知られたが、生成AI向け半導体の開発で出遅れ、エヌビディアなどにシェア(占有率)を奪われている。インテルが高いシェアを持つパソコン向けの半導体も、コロナ特需の反動によるパソコン販売の低迷で伸び悩んでいる。
一方、決算の内容が市場予想を上回ったとして、インテルの株価は31日の時間外取引で一時約15%上昇した。