【トヨタ・ホンダ・日産】いま買うならどの自動車がいいのか?実際にディーラーを回って聞いてみた「驚きの結果」
'30年にすべての自動車をEVに―欧州勢が掲げた目標はやはり無謀なものだった。再び脚光を浴びるのが日本のHV技術である。いずれEV化は避けられないにしても、いまはそのときではない。 【業界地図】EVか、ハイブリッド車か…2024年、自動車メーカーの現在地 中編記事『将来的にEV化は避けられないが、それはいまではない…日本製ハイブリッド車の逆襲が始まった!』より続く。
ホンダの意外なオススメ
それでは今後10年を見据えて、いま買うならどんな車種がいいのか。 「HVを出しているメーカーは(簡易的なマイルドハイブリッドを除くと)、トヨタ、ホンダ、日産自動車が3強ですが、耐久性や実績を考えるとトヨタが安心でしょう。プリウス以来、HVを長年作ってきたことによる技術の蓄積は大きい」(前出・国沢氏) 売れ筋の車種を調べるために本誌記者は、埼玉県にあるトヨタ車ディーラーの大型店を訪ねた。従業員が話す。 「一番売れているのはHVのプリウスですね。PHVのものは年間に数台売れるかどうかです。やはり充電設備を工事して新設する必要があるのと、補助金があってもHVに比べて50万円程度高いので。プリウスの標準のグレードの本体価格が320万円なので、いろいろオプションをつけて、300万円台の後半になります。 ただ、納車までに7ヵ月待ちです。他もオーダーができない車種が多くて、いま売ることができるのはミニバンのシエンタだけなんです。 ちなみにEVはbZ4Xというのがありますが、下のグレードで装備をつけて600万円台前半。まったく売れてないですね。ウチの店で1台も売れてないと思います」 都内のホンダ車ディーラーを訪ねたら、店のスタッフは意外なことにHVではなく、ガソリン車を勧めてきた。 「ホンダのEVは商用車だけで選択肢はありません。なので、HVが売れていますが、個人的には先を見据えていま買うならHVよりガソリン車だと思います。というのも、最近のガソリン車は燃費がよくなっていて、フィットやN-BOXだとリッター18キロメートルと、昔のHV並みに走ります。 HVのほうがガソリン車よりも40万円ほど高いのですが、この価格差を燃費で補うと、15万キロメートルほど走らないと元が取れない計算になります。15万キロメートルも走れば、買い替えの時期がきますよね。一方、ガソリン車はしっかりメンテナンスすれば、20万キロメートル以上は走れます。 見逃せないのがリセールバリューです。HVは7年落ちになると、バッテリーなどの劣化が嫌気されて買い取り価格が落ちますが、ガソリン車は落ち方がマイルドです」