投資初心者が経済指標やチャートを学ぶのはムダ…資産1.8億投資家が断言する「コスパ最悪の投資勉強の中身」
投資初心者がつい陥ってしまいがちなこととは何か。会社員時代からの25年間で1.8億円の資産を作った50代投資家の桶井道さんは「『そこにリソースを使うのはもったいない』ということに時間とお金をかけて投資勉強する人が多い」という――。 【この記事の画像を見る】 ■投資初心者が経済指標やチャートを学ぶのはムダと断言できるワケ かつて、投資はお金持ちがする特別なものでした。しかし、この数年で投資が世間に浸透しました。2021年の米国株コロナバブル、2023年の日本株の好調、そして特に、今年になり新NISAを期に投資を始めた人が多いと思います。書店の投資本コーナーにいくと、棚の上から下までびっしりと投資本で埋まっています。また、日常で投資話が出ることもあるほどで、投資が一般化しつつあります。 しかし、「そこにリソースを使うのはもったいないなー」と思うことがあります。投資勉強は大事ですが、勉強しても投資成績に良い影響が出ない分野があります。本稿では、投資初心者がしないほうがいい投資勉強、したほうがいい投資勉強をご紹介します。 ■学ぶ必要がないこと 初めに、しなくてもいい投資勉強を解説します。 ---------- ①経済指標は学ぶ必要なし ②為替相場は学ぶ必要なし ③株価チャートは学ぶ必要なし ④6000銘柄くらいある投資信託は多くを学ぶ必要なし ---------- 投資初心者がこれらを学ぶ必要はありません。初心者に限らず個人投資家は学ぶ必要がないと思っています。投資歴25年の私もこれらに詳しくありませんし、詳しくなろうとも思いません。ここにリソースを使っても、個人投資家が投資で儲けられるとは私は思えません。ひとつずつ解説しましょう。
■「逆に問います。そこに詳しくなってどう戦う?」 ①経済指標は学ぶ必要なし ISM製造業景況指数、ISM非製造業景況指数、FRB政策金利、雇用統計、小売売上高、GDP、CPI、PCE……など米国だけでも経済指標は多数あります。日本でも、日銀金融政策決定会合、日銀短観、GDP、消費者物価指数などがあります。これらは、株価に影響をおよぼします。 しかし、これら経済指標に詳しくなる必要はありません。私はぜんぜん詳しくありません。経済指標の知識の有無は、個人投資家の成績をほぼ左右しないと思います。そこにリソースを使うのは無駄とさえ思っています。 株価に影響するのに学ばなくていい? 無駄? なぜ? と疑問を持たれるかたもいらっしゃることでしょう。 では逆に問います。そこに詳しくなってどう戦うのでしょう? 投資信託に積立投資しているなら、これら経済指標に詳しくなって何かプラスになるでしょうか? これらを予想したり、結果が発表されて瞬時に分析して、追加投資したりするのでしょうか? 追加投資するにしても、投資信託の価格だけを見れば対応できます。 個別株でも同じです。これら結果やこれら結果による株価の動きを正確に予想して、売買を仕掛けられるでしょうか? または、これら結果が発表されたら、プロより早く確認して、プロより早く分析して、プロより早く判断して、プロより早く株式売買をする……そんなことが可能でしょうか? 無理です! 個人投資家がプロを相手に短期売買に挑んでも勝てません。プロを相手に富の奪い合いになるので厳しい世界です。それが可能なのは、時間も能力もあるごく一部の限られた人だけです。普通の個人投資家がそこで戦ってはいけません。 よって、投資信託に積立投資して放置する。もしくは個別株投資なら、優良企業を探し、長期保有して、企業の成長とともに株価上昇や増配を狙うのです。この長期投資によって企業価値に寄り添い、みんなで儲けるやり方こそ再現性が高いといえます。 ゆえに、経済指標を学ぶ必要などないのです。そこにお金を出して時間を使って学んでも、費用対効果は極めて低いといえます。