大阪アパレル業界の異端児社長が明かす…!スキャンダル俳優を広告に起用する「型破りな経営哲学」
世間のイメージを大切にする企業ならば、スキャンダルを起こした芸能人とは距離を置くのが普通だ。しかし、やらかした俳優たちをあえて宣伝に起用するアパレルブランドが存在する。大阪に本社を構え、東京をはじめとする日本全国に取り扱いショップを抱える『RESOUND CLOTHING(リサウンドクロージング)』だ。 【写真多数】スキャンダル起こしても、カッコいいは変わらない!東出、伊藤…スキャンダル芸能人たち 同ブランドのモデルとなった人物の中には、近藤真彦(59)や高岡蒼佑(そうすけ)(42)、東出昌大(36)に伊藤健太郎(26)など、過去に何らかのスキャンダルを報じられて傷を負った芸能人が多数いる。なぜ、彼らを広告塔に据えたのか? その経営哲学を『リサウンド』のCEO兼デザイナーの梅本剛史氏(43)が明かす。 「’20年の秋、蒼佑君をやらかした人で最初に起用しました。正直、周りの関係者から『イメージが悪くなる』とめちゃめちゃ止められた。でも、かっこいいオトコに着てほしいというのが大前提にあるんです。ブランドイメージとしては色気があって陰がある男性が最適。女性スキャンダルで叩かれた人は、裏返せばモテる男の代表格ともいえますよね。それがウチのモデルのイメージと合うので、自然と起用を決めてしまうんです」 一般的な企業の感覚でいえば二の足を踏みそうな俳優にも、梅本氏は手を差し伸べてきた。’20年10月、ひき逃げの容疑で逮捕された伊藤は芸能活動の休止を発表。その翌年の秋、復帰のタイミングで『リサウンド』のモデルを務めたのだ。 「彼らが登場したからといってクレームが来ることはないし、売り上げは下がるどころかむしろ右肩上がりです。健太郎君を起用したときには、僕個人のインスタに『健太郎を使ってくれてありがとうございます』とファンから感謝のDMがたくさん届きましたね」 かつて梅本氏は、芸能プロダクション『LDH』のアパレル部門に所属していた。その後、岡山発のブランド『Delay』の立ち上げを経て、約8年前に『リサウンド』を起業。芸能界とも関わりが深く、『SMAP』がツアーで着用した衣装や、『Kis-My-Ft2』がデビューアルバムで着ていた衣装は梅本氏がデザインしたものだ。そんな梅本氏は、謹慎状態にある芸能人との交渉も思い切った方法で行っていた。 「活動自粛中のタレントに対し、突然事務所へ電話をかけて『起用したい』とオファーを出しても信じてくれないでしょう(笑)。そこで知り合いの芸能人やスタイリストなど、ワンクッションを挟んで相手方と直接コンタクトを取っています」 東出を起用した際は、彼が山に籠(こ)もっている最中にオファーを出したという。 「東出さんは山から下りてきたタイミングなら撮影OKと事務所から返事があったので、それに合わせて’23年の春に六本木(港区)で撮影を組みました。当日は本当に山から下りてきたままの格好で現れたのですが、衣装に着替えると見違えましたね。男前で性格の良い方でした。オファーを受けてくれたタレントで嫌な人はいなかったです。唯一、『MY FIRST STORY』のHiro(30)が2時間遅刻したぐらい(笑)」 デリケートな時期を迎えている俳優たちを次々と起用できるのは、梅本氏がデザイナー業界で高い評価を得ていることも関係している。 「岡山の『Delay』の時に、3D加工を施した通称″生立体ヴィンテージジーンズ″をデザインしたんですが、これが年間1万本以上売れたんです。僕がデザインしたジーンズを『模倣させてほしい』と、誰もが知る海外のハイブランドから連絡が来たこともあった。それから、自分は海外でも通用すると自信がついたんです」 そんな梅本氏でも、過去にオファーを断られたタレントがいるという。 「(明石家)さんまさん(68)です。モデル全員をやらかした方で固めると万が一のことがあるので、時折ノースキャンダルのタレントを挟むようにしています(笑)。2年後には、松本人志さん(60)の起用を実現させたい。本気でオファーしたいですね」 大胆不敵な戦略で、今後も一層アパレル界を席巻してくれそうだ。 『FRIDAY』2024年5月31日号より 取材・文・撮影:加藤 慶
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