今の受験生にも無関係じゃない? センター試験「廃止」問題
「単位取ればOK」の時代ではなく
昨年8月の中教審答申では、大学の学士課程教育(学部教育)を、答えのない問題に解を見いだしていくための批判的・合理的な思考力や、創造力・構想力などの「汎用的能力」を育成するものに転換することを提言していました。それにはディスカッションやディベート、インターンシップなど「アクティブラーニング」(能動的学修)と呼ばれる主体的な学習形態を多く取り入れることが必要だとしています。つまり、これからの大学は、昔のように座学方式の講義にせっせと出席して一般教養や専門教育の単位を取得し、卒業単位を満たして卒業すれば社会で活躍する力が保証される、という時代ではなくなっているのです。 大学は今、国際的には教育・研究の激しい競争にさらされており、国内的にも企業などから即戦力となる人材の育成を求められています。安西部会長の言葉を借りれば、大学教育の改革は「待ったなし」です。今の受験生も合格後には、入試方法のいかんにかかわらず、そうした激変する大学に入学するのだと、すぐに頭を切り替えて学業に臨むことが迫られるのです。 (渡辺 敦司/教育ジャーナリスト)