「何て伝えたらいいんだろう」心苦しく センバツ辞退の京都国際監督
新型コロナウイルスの集団感染がチーム内で確認された京都国際が17日、センバツ出場辞退を決めたことについて、小牧憲継監督(38)が毎日新聞の電話での取材に応じた。小牧監督は選手たちに伝えた際の心境を「頑張る姿を見てきたので『何て伝えたらいいんだろう』と心苦しかった」と明かした。その上で「夏に向けて頑張ろうと軽々しく言えないが、すぐ走り出さなければならない。どこかのタイミングで『もう一度、日本一を目指し、甲子園への切符を取ろう』と選手たちに伝えたい」と決意を語った。【聞き手・千金良航太郎】 【あのドラ1も】昨年センバツからプロの扉開いた選手たち ――開幕を18日(19日に雨天順延)に控え、出場辞退が決まった17日は監督も選手たちも宿舎となるホテルにいた。選手たちにはどう伝えたのか。 ◆まず主将(3年)と副主将(3年)に一人ずつ伝えた。その後、他の選手も集めて伝えた。 ――主将に伝えた時の様子は。 ◆この春に何が何でも優勝、と頑張ってきたのですごく複雑な顔をしていた。「キャプテンなんやから、みんなを夏に向けて奮い立たせてほしい」と伝えたら納得してくれた。 ――副主将は。 ◆最初は「えっ」と驚いた表情を見せたが、話すうちに納得してくれた。甲子園はとても楽しみにしていたと思うが、すぐに「夏に向けて頑張りたい」と切り替えてくれた。 ――他の選手は。 ◆「あまりにもコロナの陽性者が多いので、申し訳ないが辞退することにした」と伝えた。みんなあぜんとしているような表情で、うまく事態をのみ込めていないようだった。 ――選手たちに伝えた時の監督自身の心境は。 ◆選手たちが本当に頑張っている姿を見てきたので「何て伝えたらいいんだろう」と心苦しかった。野球をさせてもらえるのが当たり前ではない、と気付かされた。 ――改めて選手たちに伝えたいことは。 ◆すぐに気持ちを切り替えなくていい。これまで全てこの春を勝ちきるためにやってきた。夏に向けて頑張ろう、などとは軽々しく言えない。ただ矛盾するようだが、次に向けてすぐに走り出さなければならない。どこかのタイミングで「もう一度、日本一を目指し、甲子園への切符を取ろう」と選手たちに伝えたい。まずはしっかり休んでほしい。 ◇全31試合をライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では大会期間中、全31試合を動画中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。