緊急車両に“道を譲らない” ドライバーが増加? 到着時間は20年で4分遅く… 消防隊が悲痛の声
最近の車は防音性能に優れていることも一因のようです。消防によると、救急車のサイレンは音が前後に伝わるように設計されているため、横の方向には聞こえにくい場合があるといいます。 何とか注意を引くため、豊田市の消防では、赤信号の交差点ではサイレンの音を変えるほか、拡声器でも呼びかけます。 (豊田市消防本部・安藤厚救急隊長) 「ハザードをたいて、ゆっくり道の路肩で止まり、状況を確認した後で、少しずつ移動してもらうのが一番いいかなと思います」 ■緊急車両を知らせる最新技術「ITS Connect」 現在、救急車の存在を知らせる最新技術「ITS Connect」の開発が、自動車各社の協力で進められています。 トヨタ自動車は、無線技術を使ってドライバーに緊急車両の接近を知らせるシステムを実用化。ITS Connectを搭載した救急車が緊急走行時に電波を発信し、同じシステムを搭載した車に位置や方向を知らせます。これにより、ドライバーはいち早く救急車の存在を把握し、よけられるようになります。 2018年に名古屋市と豊田市の公道で行われた実証実験では、ITS Connectを搭載した救急車の緊急走行時間が平均で7.7%短縮されました。 (ITS Connect推進協議会・西川美津江さん) 「車の遮音性が上がり、音はするけれど、どっちから(緊急車両が)来ているか分からないということが結構あるようです。ITS Connectを使っていただくことで、スムーズな運転行動が期待できます」 ITS Connectの搭載車は、救急車で全体の約2割、一般車両はまだ約40万台。一般車両は250台に1台の割合でしかなく、普及には時間がかかりそうです。 緊急出動の現場が抱える「到着の遅れ」という大きな課題。技術は日々進歩していますが、何よりも大切なのは、落ち着いて道を譲る意識です。 CBCテレビ「チャント!」5月21日放送より
CBCテレビ