福澤克雄監督、『VIVANT』に込めた“テレビの復権”への思い「面白いものを作ればテレビを見てくれると証明できた」
昨夏放送された堺雅人主演のTBS系日曜劇場『VIVANT』が、「東京ドラマアウォード2024」で作品賞〈連続ドラマ部門〉のグランプリを受賞。28日、都内で行われた授賞式に福澤克雄監督、飯田和孝プロデューサーが登壇した。 【写真】砂漠にラクダ…『VIVANT』の壮大なモンゴルロケの模様
東京ドラマアウォードは、作品の質の高さだけではなく、“市場性”、“商業性”にスポットをあて、“世界に見せたい日本のドラマ”というコンセプトのもと、世界水準で海外に売れる可能性が高い優秀なテレビドラマを表彰する賞。 『VIVANT』は、ハイクオリティな映像美に加え、堺雅人演じる主人公・乃木と彼を取り巻く公安、さらに「別班」という謎の組織が複雑に絡み合った重厚なストーリー展開で社会現象を巻き起こした作品。堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、二宮和也、松坂桃李、役所広司ら豪華俳優陣が一堂に会し、モンゴルで2カ月半にも及ぶ大規模なロケも行われた。 ステージに登壇した福澤監督は「本当に当たってよかったなと。皆さん『いい作品作ってよかったね』と言われますが、結局は当たらないとメタクソ言われる世界なので、当たって、また、こんな賞をいただいて、迷惑をかけたTBSにどうにか『こういう賞を取れました』って報告ができてうれしいです」と安堵の表情。 「このドラマを作ったのは、映画を越えようなんて一切思ってないです。とにかくテレビの復権! みんな配信だなんだとか言ってますが、面白いものを作れば結局テレビを見てくれるということを今回証明できましたので。最終回もリアルタイム視聴が3300万人。テレビの皆さん、面白いものを作っていきましょう!」と力強く呼びかけた。 なお、今年は授賞式の模様を東京ドラマアウォード公式YouTubeチャンネルでライブ配信するという初の試みが行われ、司会に脚本家の三谷幸喜氏とフリーアナウンサーの有働由美子を新たに迎えた。 ■「東京ドラマアウォード2024」受賞作品・受賞者 ■作品賞〈連続ドラマ部門〉 グランプリ 『VIVANT』(TBSテレビ) 優秀賞 『舟を編む ~私、辞書つくります~』(NHK) 優秀賞 『燕は戻ってこない』(NHK) 優秀賞 『不適切にもほどがある!』(TBSテレビ) 優秀賞 『アンメット ある脳外科医の日記』(カンテレ) ■作品賞〈単発ドラマ部門〉 グランプリ 『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』(NHK) 優秀賞 『未解決事件 File.10 下山事件』(NHK) 優秀賞 『侵入者たちの晩餐』(日本テレビ) 優秀賞 『ブラック・ジャック』(テレビ朝日) 優秀賞 『生きとし生けるもの』(テレビ東京) 優秀賞 『PICU 小児集中治療室 スペシャル 2024』(フジテレビ) ■ローカル・ドラマ賞 『京都のお引越し』(朝日放送テレビ) 『琉球歴史ドラマ 阿麻和利 THE LAST HERO』(琉球放送) ■個人賞 主演男優賞 草なぎ剛 『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』(NHK) 主演女優賞 石橋静河 『燕は戻ってこない』(NHK) 助演男優賞 若葉竜也 『アンメット ある脳外科医の日記』(カンテレ) 助演女優賞 内田有紀 『燕は戻ってこない』(NHK) 脚本賞 宮藤官九郎 『不適切にもほどがある!』(TBSテレビ) 演出賞 金子文紀 『不適切にもほどがある!』(TBSテレビ) ■主題歌賞 Creepy Nuts「二度寝」 『不適切にもほどがある!』(TBSテレビ)主題歌 ■特別賞 山田太一(脚本家)