北朝鮮「多弾頭ミサイル試験成功」主張を覆す証拠、韓国陸軍兵士が発見
【08月21日 KOREA WAVE】韓国陸軍の一兵士が、北朝鮮が「成功した」と主張した多弾頭ミサイル発射試験が失敗していたことを示す映像を発見した。北朝鮮は6月26日に多弾頭分離試験を成功と発表したが、韓国軍はそのミサイルが飛行中に異常な動きを見せ、最終的には空中で爆発する様子を監視装置で確認している。 陸軍第12師団のチョン・ジュヌ上兵は、6月26日に前線監視のための熱映像装置(TOD)を操作していた際、画面の片隅で輝く球状の熱源を発見した。あとでその熱源が北朝鮮のミサイルであることを確認した。 「最初は月だと思ったが、師団長が『何気なく見逃した熱源が仲間にとって大きな脅威になることがある』と言った言葉を思い出し、再確認した結果、ミサイルであると特定できた」 チョン・ジュヌ上兵は、当時の状況をこう振り返った。 北朝鮮は発射の翌日、多弾頭分離と誘導制御試験に成功したと発表していたが、韓国軍は「北朝鮮ミサイルの飛行が異常」「空中で爆発する失敗過程を監視装置で確認している」として、即座に、北朝鮮の発表を「欺瞞と誇張」と反論している。 合同参謀本部によれば、韓国軍は北朝鮮のミサイル発射準備の兆候を事前に察知し、26日午前5時30分ごろに発射されたミサイルを弾道ミサイル監視レーダーと地上の監視装置で探知した。チョン・ジュヌ上兵が発見したTOD映像には、北朝鮮のミサイルが主張する「多弾頭分離」の証拠は一切含まれていないことが確認された。 6月28日には、韓国軍が撮影した北朝鮮ミサイルの映像が公開され、その映像ではミサイルが発射初期から激しく揺れながら上昇し、通常のミサイルが直線的に飛行するのとは異なる動きを示していた。ミサイルは空中で完全にバランスを失い、左右に回転する「タンブリング」状態に陥り、最終的には空中で爆発して数十個の破片に分裂した。 チョン・ジュヌ上兵は「敵はいつでも我々に脅威を与える可能性があると考えて任務に臨んでいる」と述べ、北朝鮮の最近の挑発行為に対する警戒心を強調した。 「任務中に北朝鮮軍がオートバイを使用して兵力を移動させているのを監視装置で見たことがある。我が軍の装備がはるかに優れており、装備の差から勝利できる」 チョン・ジュヌ上兵はこんな自信ものぞかせた。 チョン・ジュヌ上兵は、最近「敵の虚偽の主張と欺瞞の中で真実を明らかにした功績」により、合同参謀本部議長から表彰を受けた。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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