福島第一原発の汚染水処理で“ウソ”の廃棄物運搬発注…3社から12億円以上詐取か 会社役員を逮捕 大阪地検特捜部
福島第一原発の汚染水の浄化処理で、廃棄物の運搬に関連する事業をゼネコンから発注されたように装い、ウソの発注内容で3つの会社から12億円以上を振り込ませ金をだましとったとして、大阪地検特捜部は28日、会社役員の男を詐欺などの疑いで逮捕しました。 詐欺と有印私文書偽造・同行使の疑いで逮捕されたのは、産業廃棄物の収集や運搬などを行う会社の実質的経営者・隅田繁春容疑者(64)です。 大阪地検特捜部によりますと、隅田容疑者は、福島第一原発の汚染水の浄化処理で発生する廃棄物運搬をめぐり、3つの会社に対し、「先行して二次下請け会社に支払えば、元請けであるゼネコン会社からこれを上回る支払いが確実に受けられる」などと偽り、発注書などのウソの書面を3社に交付し、2021年以降、28回にわたって、3社から合計約12億5000万円を自身の口座に振り込ませ、金をだましとった疑いがもたれています。 隅田容疑者はウソの発注書や請求書などを合わせて160通以上作成したほか、自身で勝手にゼネコン会社の印鑑を製作し、ウソの書面に押していたということです。また、だまし取った金の一部を、実際に工事が行われているかのようにみせるため3社に支払いましたが、多くは私的に使っていたとみられています。 大阪地検は隅田容疑者の認否を明らかにしていません。