堤真一×山田裕貴 初共演でW主演 堤「生まれたものをそのまま」山田「役を生きることができた」 映画「木の上の軍隊」
俳優の堤真一(60)と山田裕貴(34)が映画「木の上の軍隊」(来年6月13日、沖縄県先行公開、7月全国公開)にW主演することが10日、分かった。2人は今作が初共演となる。 【写真】終戦を知らずに2年間、木の上で生き抜いた2人の日本兵 「木の上-」は2010年に亡くなった作家の井上ひさしさんが生前、やりたい事として記していたストーリーが原案。太平洋戦争末期の沖縄・伊江島で起きた実話に基づく物語だ。米軍の攻撃を避けるために登ったガジュマルの木の上で、終戦を知らずに2年間を生き抜いた2人の日本兵を描く。 堤は厳しく恐ろしい上官・山下一雄を、山田は沖縄出身の純朴な新兵・安慶名(あげな)セイジュンを演じる。初共演となる2人だが互いの信頼は厚い。堤が「難しい役だと考えていたけれど、真っすぐな安慶名そのものの山田くんのおかげで、2人だからこそ生まれたものをそのままやっていけばいいんだと思えた」と語れば、山田も「堤さんの実在する力がすごく、お芝居せずに反応できる、役を生きるということができた」と感謝を口にした。 13年に舞台化され、国内のみならず世界からも上演依頼のある人気作を、沖縄出身の平一紘監督(35)らによる「沖縄からの目線」で映画化。堤は「今だからこそ、細かいことまでつまびらかにしていかなくてはならない、と改めて感じました」と、作品の意義を口にした。 山田は「戦争の悲惨さ凄惨(せいさん)さもしっかり映し出されていた」と語る。終戦から80年というタイミングでの公開に「僕も含めて戦争を知らない世代の人が増えてきている中、こういう作品を伝える役目をもらえてうれしかった」と、役へのやりがいを感じつつ、「事実を知ってもらい、この作品がひとつ考えるきっかけになれば」と力強く呼びかけた。