高速道路がついに釧路管内へ 道東道「白糠IC」が3月29日開通
【北海道・釧路】北海道の玄関口・新千歳空港のある千歳市から道東方面を結ぶ道東自動車道(道東道)が今年延長され、1971年の北海道内の高速道路の歴史のスタート以来44年目にして、ついに釧路管内に高速道路が乗り入れます。 【写真】白糠ICが3月開通 釧路の特産品を札幌でアピール その第一歩となるのが、3月29日(日)に開通する白糠(しらぬか)インターチェンジ。道東道はこれまで札幌市からも程近い千歳・恵庭(えにわ)ジャンクションから北海道を東へ横切り、浦幌(うらほろ)インターチェンジ、足寄(あしょろ)インターチェンジが終点でした。今回、浦幌から白糠への延伸により、札幌~釧路間(夏期)が5時間6分かかるところ4時間43分になり、23分短縮されます。 その後の予定としては、庶路(しょろ)インターチェンジ・阿寒(あかん)インターチェンジが2015年度中にオープン、最終的には釧路インターチェンジまでの延伸を計画中です。
■高速で人をどう呼びこむか
今回の延伸について「高速道路ができることで期待するのではなく、どのように使っていただくのかを考えるのが我々の仕事」と話すのは、一般社団法人釧路観光コンベンション協会・専務理事の平川順二さん。
「釧路管内の観光資源……景観・食・温泉などの魅力を発信し、より多くの方に来ていただき、その交通手段として高速道路を使ってもらうことで相乗効果を生み出していく必要があります。その第1弾イベントとして、先日(2月28日・3月1日)サッポロファクトリーアトリウムで「オールくしろ魅力いっぱい物産展」を開催しました」(平川さん)というように、地元・釧路管内では、期待よりも自ら積極的に機会を作り出す戦略を練っています。 その「オールくしろ魅力いっぱい物産展」でも北海道釧路総合振興局くしろ地域支援室の酒井隆さんが「釧路管内の8市町村(釧路市・釧路町・厚岸町・浜中町・標茶町・弟子屈町・鶴居村・白糠町)が集まるのは初めて。北海道の魅力がすべて詰まっている釧路管内で、宿泊しながらたっぷり楽しんでもらえたら嬉しいです」とお話してくれた通り、これまでにない戦略で釧路管内の魅力アピールを続けていく予定です。 また、釧路管内は酪農・漁業が盛んなこともあり、物流の短縮にも高速道路が活用されます。「北海道、ひいては日本の食の物流においても、釧路管内は大きな部分を担っています。高速道路を利用していただくと、食の供給の面においてもその重要さを認識していただけると思います」と、観光以外の部分にも目を向けてほしいと語る平川さん。「今後は道央圏のみならず、首都圏・中部圏・関西圏にも釧路管内の素晴らしさを伝えていきたいです」とも話してくれました。 記念すべき釧路管内初の高速道路乗り入れの玄関口・白糠インターチェンジの開通は3月29日。ちなみに本別(ほんべつ)インターチェンジより東は無料となっています。 (ライター・橋場了吾)