「厄」払い過ぎ注意!?バラエティ豊かな5つの厄払いが行われる奇祭「宝光院 はだか祭」とは
「はだか祭り」といえば、愛知県稲沢市で開催される「国府宮はだか祭」が有名ですが、岐阜県にもはだか祭りがあります。手を変え、品を変え、やることなすこと全部が厄払い。中には、ゲット出来たら超ラッキーとされるスペシャルなお宝争奪戦まである、まさに厄払いの宝石箱ともいうべき祭り「宝光院 はだか祭」を取材しました。 【動画】見つければ“一年間の幸せ”が確定!?超スペシャルな厄払い「宝探し」の様子がこちら【9分15秒~】
バラエティ豊かな5つの厄払い!「聞く」だけでご利益満載なお経
岐阜県大垣市にある、1200年以上の歴史を誇る宝光院。右目で天を、左目で地を見据え、世の中の全てを見守る「ひだりめ不動」を祀るお寺です。この寺で毎年、2月3日の節分に行われるのが「宝光院 はだか祭」。足を運ぶ老若男女は数千人、あらゆる手段で楽しませる祭です。どんな祭りなのか、住職に尋ねました。 (住職・鈴木孝慈さん) 「いろんな厄払いが行われる祭。今の形になったのは戦後。私の師匠たち(先代住職ら)が地域おこしのために続けてきた」 元々、田園が広がっていたこの地では兵役など第二次世界大戦の影響で、農家の数も激減。この祭りは、そんな疲弊した町を盛り上げようと発展し、バラエティ豊かな5つの「厄払い」を行うようになりました。 まずは、聞くだけでご利益満載の厄払い。「大般若祈祷」という家内安全や商売繁盛を願う、ありがたいお経を読んでもらえる厄払いです。参拝客は、朝から晩までひっきりなしに訪れます。祭りの準備で既に徹夜明けの鈴木住職が一日中お経を唱え続け、読み上げる名前はなんと、およそ600家族1000人以上に及びます。 (住職・鈴木孝慈さん) 「(Q食事は?)僕はとらない。待っていただいている方がどんどん替わられるので」 ご祈祷を受けたおばあちゃんは85歳。80年間、毎年通っているといいます。元気に自転車で帰っていく姿からは、ご利益抜群な様子がうかがえました。
裸男の川渡り&当たり付きの豆打式!
続いては祭りのメインイベント、裸男たちが行う厄払いです。裸男は当日参加もOKで、2000円を納めると、特製のハチマキとフンドシがもらえます。今年は、全国各地からやる気に満ちたおよそ100人の裸男が集結しました。中には背中一面に気合の入ったボディペイントを施して臨む人も。さらにムキムキマッチョの男性は…。 (ムキムキマッチョ!若山剛弥さん) 「漢気をもっとつけたい。外面だけカッコよくても中身が漢気がなかったらダメ」 地元の大垣市を出て、大阪の出版社で働いていますが、「内面も強くなれ!」と親に言われて初参加しました。 厄払いがスタートすると、裸男たちはお寺のすぐそばを流れる冷たい川へ。川を人生の荒波に例え、それを乗り越えることで心身を清める「みそぎ川渡り」を行います。「伊吹おろし」が吹きつける大垣、真冬の空の下で極寒の厄払い。約50mの苦行を笑顔で乗り切った裸男たちでした。 境内では誰でも参加できる厄払いも行われます。豆が入った小袋を撒く「豆打式」です。祭りが行われている間、ほぼ1時間おきに5回開催し、豆が入った小袋の数はなんと、約6000袋。この小袋には「当たり」も入っており、ちょっとした運試しにもなります。