【闘病】吐き気や不快感は難病の「好酸球性消化管疾患」が原因。違和感を放置せず胃カメラを受けて発覚…
消化器官にアレルギー性の炎症が起こる好酸球性消化管疾患(好酸球性食道炎・好酸球性胃腸炎)は、医師に症状を伝えてもなかなか診断がつかない病気です。 ですが、違和感を放置せずに検査や受診を進めたナオ(仮名)さんは、発症から短期間で診断が確定したそうです。そこで今回は、診断までの経緯や、ナオさんがどのように病気と付き合っているのかなどを聞きました。 ※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2023年10月取材。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
吐き気など不快感があり、健康診断で胃カメラを選択
編集部: 病気が判明するまでの経緯を教えてください。 ナオさん: 2022年9月に会社の健康診断があったのですが、その前から体の異変を感じていたのでバリウム検査から胃カメラに変更してもらいました。その時、医師から「好酸球性食道炎の疑い」を指摘され、その場で生検のためのサンプルを採取されました。 その3週間後に検査結果で「好酸球性食道炎」と診断され、大学病院を紹介してもらいました。大腸カメラを受けたところ、「好酸球性胃腸炎」と診断されました。 編集部: 会社の健康診断を受ける前の自覚症状には、どのようなものがありましたか? ナオさん: 健康診断を受ける2カ月ほど前から、仕事終わりに突然吐き気を感じることが何回かありました。ただ、ちょうどコロナ禍だったので、「1日中マスクをつけて過ごすことに慣れていないせいで気持ち悪くなったのかな?」と思っていました。 ところが、胃液が込み上げてくるような不快な症状も現れ、いよいよ精神的なものではないと確信したんです。 当時、テレビのCMで「逆流性食道炎」という言葉がよく流れていたので、なんとなく自分も逆流性食道炎なのかとしか思っていませんでしたが、不安だったので健康診断のオプションであった胃カメラを受けました。 編集部: では、医師からどのように治療を進めていくと説明がありましたか? ナオさん: 主治医からは「その時々の症状に合った薬を飲み続けることで、今まで通りの日常生活を送れるようにしましょう」と言われました。 医療費受給者証も、医師から「新しい薬も出ているので、体質に合った薬を探すためにも、負担が少なくなるように申請をおすすめします」と言われ、申請しました。主治医自身もアレルギーを持っていたので、その説明にとても納得したのを覚えています。 編集部: 病気が判明したときの心境について教えてください。 ナオさん: 実は、健康診断で胃カメラを担当して下さった医師は大学病院での主治医の先輩で、数年前まで好酸球性食道炎の研究をされていた方でした。 年配の方でおだやかな先生だったのに、私の食道の炎症を見た瞬間「うわっ! これは珍しいよ」「大丈夫! 死なないからね」と明るい声で言われ、思わず笑ってしまいました。 幸いにも耐えられないほどの症状はなく、長年患っている花粉症の延長のようなやや面倒くさい病気になったとは思いましたが、通院など生活状況の変化についていくのが精一杯、自分が難病という実感も湧きませんでした。 編集部: 発症後の生活変化を具体的に教えてください。 ナオさん: 症状が酷い時はご飯を食べてもすぐ吐いてしまうので、「もう家族以外との外食や飲み会は無理なのかな」と悲観することもありました。ただ、当時はコロナ禍で食事の機会自体がなくなったので、寂しさを感じることはなかったです。 今は症状が落ち着いたので、友人と食事にも行けるようになりました。また、会社の上司や同僚に病気の説明をしたのですが、ほかにも難病を抱えて働いている方がいたり、もともと障がい者雇用に積極的な会社だったこともあったりと、すんなりと受け入れてもらえました。 その時、この会社や仲間で良かったと感じました。病名がついたことで、腹痛で遅刻する時も「自己管理ができていない人」ではなく「そういう病気だから仕方ない」と理解してもらっているので、助かっています。