世界王者2人が村田の世界奪取に太鼓判!
村田が狙っているミドル級の頂点はボクシングのレベルもファイトマネーからしても桁違いの世界だ。WBCのミドル級の正規王者は、全米で人気も実力も兼ね備えた4階級王者のミゲール・コット。WBAには“最強”ゲナジー・ゴルフキンが控えていて、その牙城を崩すのは容易ではない。またプロモーターは、挑戦者にも人気と実力と格を求める。有料テレビの契約へ呼び込むには、好カードでなければファンが飛びつかずに興行が成功しないためで、村田がミドル級での世界戦を実現するためには、元五輪金メダリストの肩書き以上のインパクトも必要になってくる。 春に海外で予定されている第7戦は、その重要な一歩。プロ転向後、たった3年で、この階級で世界を目指すのは、過酷な宿命とも言えるが、不可能と言われたオリンピックでのミドル級での金メダルを実現した村田ならば、やってくれそうな気になるから不思議だ。 内山も、拓大から社会人へ進みオリンピックを目指した過去があり、山中も専修大でアマチュアボクシングを経験しているだけに、オリンピックの金メダルの偉大さをよくわかっている。 だからこそ村田の2015年の世界奪取に太鼓判を押した。 「期待値の高い重量級だけど、世界王者になる可能性が一番高い。この前は倒せなかったが、あれだけ守られると倒せない。村田に名前があるので、なおさら、倒されまいとがんばるからね。でも、世界戦になれば相手は出てくるし隙はある。村田は倒すパンチがあるんだから倒しますよ」と内山が言えば、山中も、「同じジムで高校も一緒。今年世界チャンピオンになって帝拳を代表するボクサーになって欲しい」とエールを送った。 トークショーで司会者から今年の抱負を書いて欲しいとリクエストされた村田は「世界」と下手な字で書いた。「勝負の方がよかったかな」と苦笑いを浮かべたが、筆者は、の二文字に彼の口癖を思い出した。 「オリンピックの金メダリストは世界王者にならねばならない義務がある」 村田のミドル級世界王者へ向けての課題と可能性については、またの機会に書こうと思う。 (文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル)