「諦めない強さは、いつだってみかんが教えてくれた」西日本豪雨からまもなく6年…生産者を通して見る町の現在地
大規模な復旧工事進むも…今年苗木を植えられる農家は3軒のみ
今年3月。工事が完了した園地で、中村知事がミカンの苗木を植え付けました。 中村知事: 「まだ一部ではありますが こうして植栽にこぎつけたということで、残る地域も順調に進んでますので大きな励みにもなろうかと思いますし」 玉津地区で、3年前に始まった大規模な復旧工事。ここ白浦工区では、いまも園地再生に向けた作業が続いています。
ミカン農家 河野道成さん: 「やっとここまで来たなという感じですね。ここから先長いですけど頑張って行きたいと思ってます。本格的にとれるのは10年先になると思います」 今年、この工区で苗木を植えることができたのは、営農再開を予定している10軒の農家のうち3軒だけです。
先月下旬。白浦工区でミカンを作って44年目の坂本辰幸さん、64歳です。被害にあったのは、10カ所あった園地のうちの1カ所でした。 しかし… 坂本さん: 「私のとこでは一番広い畑がなくなったいう感じです」
あの日、坂本さんが失った園地。 「みんな頑張ってもらいよんですけどなかなか。やっぱり山1つ改良するいうのは大変だということですね」
先月24日。白浦工区の進捗状況を説明する報告会が開かれました。その中で… 県職員: 「本年度につきましては、その下の部分を一時利用地に指定を開始するということで」 坂本さんが所有していた園地の一部で、今年度中にミカンの栽培が可能になることが報告されました。
坂本さん: 「少しずつでも前に進んでいるなというのは実感しました。今度現地に行って自分の土地がどういうふうになるか確定するんだろうと思います。1年でも長く後継者が育って続けられたらいい」 来年度に完了予定の白浦工区を含む玉津地区の復旧工事。再来年度に完了予定の立間地区が復旧すれば、吉田町のミカン園地は復興に向け、大きな一歩を踏み出します。 災害を乗り越え、再び愛媛を代表するミカン産地へ。生産者の願いが込められたバトンがつながって行きます。