「候補乱立で票が分散」 岡本氏が敗戦の弁、伊賀市長選
10日午後11時ごろ、稲森稔尚氏の当選が確実な情勢となると、三重県伊賀市上野中町にある岡本栄氏の選挙事務所は重苦しい雰囲気に包まれた。岡本氏は「私の不徳の致すところ」と謝罪した。 岡本氏は「12年間の成果を市民に周知できなかった」と支持者らに謝罪。「敗因はポピュリズム(大衆迎合)かな。候補者が乱立して票が分散してしまったと思う」と選挙戦を振り返った。 その上で「市民の一番の懸念は財政。市がどうなるか心配」と指摘。当選した稲森氏については「全体を見て市の財政を守って経営してほしい。しっかり勉強してください」と話した。 「財政を好転させ、医療体制も整えてきた。悔いのない12年間を送らせていただいた」などと総括。「これから市に困難があると思うが、もう口出しすることはない」と語った。 岡本氏は関西テレビ放送のアナウンサーを経て平成24年の市長選で初当選。財政健全化や子育て支援の充実など、3期12年の実績を訴えたが、得票は前回の約4割に落ち込んだ。