優秀な人にばかり「仕事が集中」してしまう…この難問は「仕事の任せ方」で解決できた!
<著書の『任せるコツ』が、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2024」マネジメント部門賞を受賞した山本渉さんにインタビュー>
「読者が選ぶビジネス書グランプリ2024」でマネジメント部門賞に選ばれた『任せるコツ』(すばる舎、以下「本書」)。 ●日本だけ給料が上がらない謎…その原因をはっきり示す4つのグラフ 著者の山本渉さんは、国内最大手のマーケティング会社のジェネラルマネージャー兼部長を束ねる統括ディレクターとして、年間100近いプロジェクトをメンバーに依頼してきました。 受賞を記念して、山本さんに「メンバーへの任せ方」のポイントをうかがいました。(※この記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です) ■出版後、チーム内で流行った「あるフレーズ」とは? ──マネジメント部門賞受賞、おめでとうございます! まずは感想をお聞かせください。 受賞の一報をいただいて、とにかく驚きました。「うれしい!」よりも「本当ですか?」が先に出たくらいです。「読者が選ぶビジネス書グランプリ」の受賞者は著名な方が多い印象だったので、まさか自分が、と。 最初の驚きが落ち着いた後、気になったのは「どなたが票を投じてくれたんだろう」でした。 映画監督や映画俳優なら、映画館に行けば、作品を楽しんでいる人の表情を見ることができます。一方、本の場合は読者の顔が見えません。しばしば書店に行って、『任せるコツ』の近くで張り込みをしましたが、手に取ってくれる人を見かける機会になかなか恵まれなくて(笑)。 今回の受賞は、読者の方々が投票してくださった結果ですよね。お一人おひとりにお礼を言いに行きたい気持ちです。 ──出版の経緯を教えてください。 自分自身もそうですし、周囲にも「任せ方」で困っている人が多くいたので、任せ方のコツをまとめた本を書けたらと考えていました。 出版のきっかけとなったのは、出版元であるすばる舎とTSUTAYA、そしてbizplayが共催する新人賞「第1回 日本ビジネス書 新人賞」に企画書を応募し、TSUTAYA賞をいただいたことです。受賞後、すばる舎とともに執筆を進めました。 TSUTAYA賞は出版前の賞、今回の賞は出版後の賞。どちらもいただけてうれしいです。 ──本書の出版後、印象的な反響はありましたか。 SNSでは、経営者の方が「この本をマネジャーに配った」と書いてくださっているのをよく見かけます。経営層以外では「もっと早く読めばよかった」「これでメンバーとの関係が変わりそうです」といった声が多いように思います。こうした感想が一番うれしいですね。 一緒に仕事をしているメンバーだと、まだ役職に就いていない若い人たちも、チームやプロジェクトのリーダーになった際に実践してくれています。 また、身近な後輩たちからは意外な反応がありました。 本書で上手な断り方として紹介している「スピーディーに返信する」と「魔法の言葉 “またお声がけください” 」を気に入ってくれたようです。後輩たちに何かを頼むと即座に「またお声がけください」と返信がくるようになりました(笑)。 ■1on1で本音を引き出す「三談論法の法則」 ──本書で提示されていた「本書を読めば(任せることは)必ずできるようになります。ただ任すだけでなく、相手を成長させて感謝される任せ方ができるようになります」というメッセージが印象的でした。 本書の副題は「自分も相手もラクになる正しい “丸投げ” 」ですが、ただ丸投げするだけだと、ブラックな上司になってしまいます。そうではなくて「相手のためになる丸投げをしよう」というのが、本書のメインメッセージです。 細かいポイントはさまざま書いていますが、任せる上でもっとも重要なのは「メンバーと真摯に向き合い、見返りを求めず与える」ということ。相手をしっかり思いやることが何より大切なのです。 もちろん、最初から相手のためだけを思って依頼しなければならないわけではありません。「あまりにも忙しいから、誰かに任せたい」から始めてもいいでしょう。でも、実行するときには「どう相手の役に立つのか」「相手に十分なキャパシティはあるか」を考えたいものです。