【追悼’24 】鳥山明さん 漫画研究者・吉村和真氏が語る「手塚治虫も驚愕したリアルな描写力」
鳥山 明 3月1日逝去 享年68
◆手塚治虫も嫉妬したリアルな描写力 吉村和真(京都精華大学教授・漫画研究者) 昭和を代表する漫画家が手塚治虫氏なら、平成を代表する一人は『Dr.スランプ』(’80~’84年)、『ドラゴンボール』(’84~’95年)などの作者、鳥山明氏ではないでしょうか。 鳥山明さん死去が中国SNS・Weiboでトレンド1位‥「超人気の秘密」【写真】 『ドラゴンボール』のアニメは80ヵ国以上で放送され、世界中の老若男女を魅了しました。手塚作品も海外で高く評価されていますが、鳥山作品ほどの広がりはありませんでした。 鳥山作品の特徴の一つが「細部への拘り」です。たとえば『Dr.スランプ』の主人公アラレちゃんと友人の木緑あかねが歩いているシーンは、靴底に打たれた鋲、靴紐の蝶々結びまで微細に描き込まれていました。 足元に黒や白の楕円を描くことで靴を表していた手塚氏がそのカットを見て「なぜここまで描くんだ」と驚愕していたそうです。 世界中で愛される作品を生み出しながらも、素顔をほとんど見せなかった鳥山氏。しかし、決して社会に無関心だったわけではありません。 近所に住んでいた当時13歳の棚園正一氏(42)と出会い、不登校だった彼の漫画にアドバイスして、彼を漫画家の道へ導きました。そんな心温まるエピソードも残しています。 『FRIDAY』2025年1月3・10・17合併号より
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