【韓国ドラマ】文句なしに面白い!胸を締め付けられ、切ない余韻に没入するドラマ
ミステリーの傑作「白雪姫には死を~BLACK OUT」に主演のピョン・ヨハンをクローズアップ!知られざる魅力と卓越した演技力に迫ります。 【写真】次に見たい「おすすめ韓国ドラマ」 「白雪姫には死を~BLACK OUT」に主演のピョン・ヨハン。©Snow White Must Die Special Purpose Company Ltd.
ミステリーを読み進めるような面白さ!「白雪姫には死を~BLACK OUT」
原作はドイツの本格ミステリーサスペンス。ドイツの人気ミステリー作家ネレ・ノイハウスの小説「白雪姫には死んでもらう」が原作の本格ミステリーサスペンスで、韓国では回を追うごとに視聴率を上げていった、じわじわ浸透系の話題作。ミステリーを読み進めるような面白さは第一級。もう序盤から釘付けにされて、そのままのめり込んでいく展開といいましょうか。ことの発端は、11年前。モチョン村という小さな田舎町で2人の女子高校生が殺害されたところから始まります。殺害現場とされる納屋のような倉庫には2人が殺された証でもある血の海が残されているのですが、遺体は忽然と消えたまま。地元の警察が容疑者として逮捕したのがピョン・ヨハン演じる主人公のコ・ジョンウ。裕福な家庭に育ったジョンウは、名門大学の医学部受験に合格したばかり。地元では友人も多く人気者だったジョンウなのですが、事件当日の彼は泥酔していて殺害当時の記憶がない。つまり、殺したのかはもちろん、殺してないのかも全く覚えていないというわけです。
「白雪姫には死を~BLACK OUT」に主演のピョン・ヨハン。©Snow White Must Die Special Purpose Company Ltd.
ところが、捜査は強引に進められ、血のついたジョンウの靴が発見されるなど、遺体なき殺人事件は、あれよあれよという間に結審し、ジョンウは希望に満ちた医大生生活を送るどころか未成年の殺人犯として収監されてしまうという……。 そして10年、囚人たちによる激しいイジメや暴力、ジョンウの一番の理解者であった父(アン・ネサン)の無念の死という過酷な試練を耐え抜き、30歳となったジョンウが出所。母(キム・ミギョン)の住むモチョン村へと帰るジョンウですが、親しかった町の大人たちは当然ながら殺人犯だったジョンウに露骨に反感を示すわけです。この町から今すぐ出ていけといわんばかりに。高校時代の仲間だった親友たちも、ジョンウの出所を無条件に歓迎するのですが、言葉の端々にはジョンウを見下すようなニュアンスが含まれていたり。刑務所の面会に度々訪れていた、今は人気女優の同級生ナギョム(コ・ボギョル)だけが唯一ジョンウを信じている様子。なのですが、なんかみんなどこか奥歯に物詰まった感があるんですよね。なあんか、変。 そんな矢先、ジョンウの母が転落事故により、意識不明の重体に。自殺かそれとも突き落とされたのか。だとしたら、なぜ? いや、そもそもジョンウは本当に殺人犯だったのか。それとも真犯人は他にいるのか。削ぎ落ちた記憶を辿りながら、11年前の事件の真実に向かって孤軍奮闘するジョンウが痛々しく、真相の切れ端が少しずつ見つかり始めるものの、なかなかはまっていかないパズルのようにもどかしく。 感情に踊らされることなく、信念と情熱だけを胸に秘め、黙々と喪失した記憶の中に埋もれた真実に向かっていくジョンウの姿は、ひょっとするとピョン・ヨハンそのものかもしれません。派手派手しい華を抑えたそんな人物描写が、だからこそ後半にいくほど、どんどん効いてくるというわけで。やっぱり上手いなあと改めて。