【こんな人】純粋で真っすぐな上田桃子 練習もトレーニングも手を抜かず38歳まで第一線で活躍
女子ゴルフで今季限りでの競技活動休止を表明している上田桃子(38=ZOZO)が7日、「プロ生活20年目だった。次へのステップにそろそろ行く時期が来たかなと思い、SNSで発表させていただいた」と語った。伊藤園レディース(8日開幕、千葉・グレートアイランド倶楽部)の前日会見で話した。 ◇ ◇ ◇ 上田桃子は、松ぼっくりを持っていた。高さが約25センチ、バレーボールの直径よりも長い巨大な松ぼっくりを、大事そうに両手で抱えていた。「こんなに大きいの見たことあります? 日本に持って帰ろうかなと思って」。無邪気に笑っていた。22年6月、全米女子オープン直前の練習後の様子だ。会場は米ノースカロライナ州サザンパインズのパインニードルズGC。パインは英語で「松」。巨大な松ぼっくりがゴロゴロと、至るところに落ちていた。 純粋で真っすぐな人だ。だからこそ優勝を目指し続け、38歳まで第一線で活躍し続けた。練習もトレーニングも、全く手を抜かなかった。若手の尊敬を一身に集めた。特に1度も勝てていない年4試合ある国内メジャーは試合前、必ず「今度こそ」と意気込んだ。9月の日本女子オープンで通算60度挑戦したが、何度聞かれても毎回熱弁。熱い人だった。松山英樹がマスターズで優勝した際、早藤将太キャディーが18番グリーンに向かって脱帽、一礼した姿を誰よりも称賛。礼儀を重んじる人でもあった。指導者に必要な要素に事欠かない。豊富な経験は、きっと日本ゴルフ界の宝になるだろう。【高田文太】