厚狭秋まつりに1万人 商店街で大名行列を再現【山陽小野田】
伝統の古式行事を継承する厚狭秋まつりは10日、JR厚狭駅前商店街で開かれ、大行司と小行司が大名行列を再現して千町、本町、殿町と続く商店街を練り歩いた。商店街の中ほどにはステージやバザーも設けられ、1万人(主催者発表)の人出でにぎわった。同まつり実行委員会(豊田弘光委員長)主催。 大名行列は1897(明治30)年ごろに厚狭天満宮への奉納行事として始まったとされ、山陽小野田市の無形民俗文化財に指定されている。戦後は一時衰退したが、1977年に復活し、市古式行事保存会(山中弘人会長)が伝統を受け継いでいる。 大行司は地元の高校生から大人で構成する15人の奴(やっこ)と大殿、小行司は厚狭小、中の子どもたちによる小殿と姫、奴、女郎、腰元の計25人で同駅前を出発。殿様は馬、姫はかごに乗って奴たちに続いた。 奴たちはみの箱や弓、片箱、大傘といった道具を振りかざしながら「アーヨイセー、アーヨイヤサノヤー、アーコレワイサーノサー」という掛け声に合わせて手足を動かし、六方を踏む独特のステップで厚狭天満宮を目指した。 日暮れ時には勇壮な裸ん坊が同天満宮を出発し、平安、鎌倉時代に公家が用いた牛車の網代車と共に鴨神社や同駅前を巡幸した。 ステージでは子どもたちのダンスと遊戯をはじめ、フォークダンス、バンド演奏、キャラクターショーなどがあり、福引抽選会で締めた。周辺には特産市、子どもを対象としたゲームコーナーも設けられ、多くの人であふれた。