東京メトロ「エリザべス線」誕生へ 海外鉄道運営に初参画 合弁会社が大都市横断117kmの最新路線を担当
ロンドン最新の路線
東京メトロは2024年11月20日、同社が参画する合弁会社が2025年から英ロンドンのエリザベス線(Elizabeth line)の運営を受託すると発表しました。 【女王も出席】エリザベス線の開通を祝うエリザベス女王(写真) 英国大手の鉄道事業者The Go-Ahead Group(Go-Ahead)65%、東京メトロ17.5%、住友商事17.5%で出資した事業会社GTS Rail Operationsが、ロンドン市交通局と契約を締結し、2025年5月からエリザベス線の鉄道運営事業を開始します。契約期間は7年ですが、オプションを含めると最長9年半です。 エリザベス線は、ロンドン西部のヒースロー空港からロンドン中心部を通って東部に至る延長117km、41駅を有する地下鉄路線です。総工費189億ユーロ(約3.8兆円)をかけて、2022年5月に全線開通しました。 路線名は、故エリザベス女王在位70周年(2022年)を記念したもので、開通式典には故エリザベス女王も出席しています。ロンドンを走る最も新しい地下鉄路線で、年間利用者数は2023年に2.1億人以上、2030年には2.5億人を超える見込みであり、英国で最も乗客数の多い路線の一つといいます。 このエリザベス線の運営事業は、東京メトロと住友商事が共同で海外鉄道事業の運営に取り組む初めての案件です。また、東京メトロが海外鉄道路線の運営事業に参画する初の案件であると同時に、住友商事にとっても初の英国での鉄道運営事業への参画になるといいます。 東京メトロは、海外では2013年のベトナム・ハノイ市での都市鉄道会社の設立支援プロジェクトへの参加を契機に技術コンサルティング事業に乗り出し、鉄道研修事業も展開。現在さらに、O&M(オペレーション&メンテナンス)事業への参画に積極的に取り組んでいるところといいます。 Go-Aheadは、英国をはじめヨーロッパ各国、シンガポール、オーストラリアで鉄道・バス運営事業を展開し、ロンドン市内のバス運営事業はシェア1位を誇ります。 東京メトロと住友商事は、Go-Aheadとともに、東京メトロがおよそ100年にわたり培ってきた安全性・定時性に優れた質の高い鉄道事業を実現するノウハウと、住友商事の豊富な海外鉄道関連案件の履行経験を生かし、エリザベス・ラインのオペレーション改善や増便に取り組み、ロンドン市ひいては英国の公共交通のさらなる発展に貢献するとしています。
乗りものニュース編集部