能登に向かっていたが….

　シンガーソングライターで俳優の泉谷しげるが21日に石川県珠洲市で開催する予定だった令和6年能登半島地震の被災者応援コンサートを中止した。能登北部地方に出された「大雨特別警報」を受けて開催を断念したもの。 　泉谷は「珠洲に向かっていたが、凄い雨で赤土も盛り出ていて土砂災害になりかねない、電波も止まるような状況だった」と報告。秋雨前線などに向かって台風14号周辺の湿った空気が流れ込んでいる影響で、無料開催を予定していた珠洲市付近は線状降水帯が発生するなど、午前中は記録的な降水量となった。このためコンサート中止を余儀なくされた。 　今回のコンサートは、昨年秋に珠洲市の同会場からの「会館自主コンサートをやりたいので来てほしい」というオファーが始まり。ところが、その3か月後に地震が起きたため、「もう出来ない」と言う思いが脳裏をよぎった。ただ、会場の被害は最小限に済んだことで、同会館から「予定通りコンサートを開催したい」と再度、連絡が届いた。 　悩んだ末に泉谷は「ギャラなんていらないから、とにかく市民を激励するような無料コンサートをやりたいって。76歳のパワーを見せてやるって言う思いしかなかったね」。 　そんな経緯があっただけに、今回の中止には「もう残念でならない」としながらも「近いうちに必ず、フリーコンサートというか無料ライブをやる機会を探っていきたい」と決意を述べた。 　自身のブログでは「珠洲市を離れる人らが、さらに多くなるなら、9月には誰も来れない？の不安もある。外からの応援だけでは、日常災害と格闘してる人びとの忙しい時間には入り込めないだろう。でもオレは、ただ能登を応援したい、のではないのだ。大好きな能登半島という場所に、あのとき世話になった御礼を込め、恩返しをしたいのだ。だからどうしても能登半島にまた行くのだ…。お前ら、待ってろよ」とコメントを寄せている。