3Lフルチューンの240ZG! インジェクション仕様で速さと乗りやすさを両立した快速フェアレディZ
3LのフルチューンNEWエンジンを入手してインジェクション化に踏み切る
オーナーはイベントでアワードが獲得できるようなクルマに仕上げるため、テーマに掲げたのが「快適で速い240ZG」。ただ、できる限り旧車らしさを損ねたくないという思いもあった。そうした難題をクリアすべく頼ったのが、エンジンスワップチューンでも定評ある、「ダディーモーターワークス」だ。 まず着手したのはインテリアまわりのリフレッシュだった。快適性を高めるべく、車内には防音シートを張り込み、オートエアコンや電動パワステなどの快適装備を追加。ダッシュボードには本革、天井はアルカンターラに張り替えることでモダンなイメージに一新。 さらにトピックとなるのは、R35 GT-R純正のフル電動シートの移植だ。以前に体感した座り心地やホールド感のよさが忘れられず、是が非でも流用したいと考えていた。しかし、内部にはモーターが組み込まれているため、サイズが大きく、そしてぶ厚い。物理的に移植は不可能かと思われたが、フロアを切削加工。シートレールをフロアに直留めすることで、なんとか240ZGのタイトなコックピットに収めている。 そして、冒頭でも触れたインジェクション制御の多連スロットル化。これを後押ししたのは、キャブレターのようなジェンビー製スロットルボディのデザインだった。さらに、1本仕様のスロットルリンケージをあえて3本に増やし、よりキャブレターっぽいシステムにするなど、細部までこだわった。 またインジェクション化に合わせて新たに導入したLINK製フルコンについても、燃調や点火をマネージメントするだけでなく、電動ファンを制御してオーバーヒート予防につなげるなど、多彩な機能を生かすことで、ストレスなく乗れる旧車に仕上げている。
「この240ZGが本当に楽しくてたまりません」と、満面の笑みをみせるオーナー。
「この240ZGが本当に楽しくてたまりません。だからこそ、たまに乗るのではなく、毎日の通勤でも乗れるようにしたいと思い、インジェクション化に着手しました。エンジンも1発でかかるし、吹け上がりもバッチリ。真夏にエアコンをかけても、オーバーヒートの不安もなくドライブできるのもうれしいですね。これまで以上に240ZGとの距離が縮まった気がします」と、満面の笑みをみせるオーナー。 さすがにカスタムはひと段落と思いきや、エンジンチューンで加速力が高まったことで、今度は制動力にモノ足りなさを感じるようになってきたとか。 「次はブレーキ強化ですね。ほかにも、まだやりたいことがいっぱいあります。若い頃のワクワク感が戻ってきました」とオーナー。ようやく出合えた、唯一無二の相棒。だからこそ、自分好みにに仕上げるカスタムは、まだまだ続く。 レストアと並行して行ったのがNEWエンジンの製作だ。オーバーホール済みというL28型改3Lユニットを入手し、クランクなどを含めてフルバランス取りを実施。精度の高いチューンドエンジンに仕上げた。さらにキャブレターはソレックス50PHHに変更し、ミッションは240クロス、ディファレンシャルはR200 の組み合わせとした。 「まさに別モノに生まれ変りましたね。カローラとGT-Rくらい違うといっては大げさでしょうか。それくらいフィーリングが激変しました」 いじれる部分が限られている新型車と違って、旧車は自分好みに仕上げていく楽しさがある。そう感じたオーナーは、ますます240ZGの魅力にはまっていくことに。そして「オールフェアレディZミーティングでアワードが取れるような、ほかにはないZに仕上げたい」という思いを強くしていった。
Nosweb 編集部