焼酎は自然の恵みの結集…だから、うまい水育む豊かな森づくりを後押し 霧島酒造がJ‐クレジット活用で森林組合と連携協定 都城
焼酎メーカー最大手の霧島酒造(宮崎県都城市)は、都城森林組合管理の森林が吸収する二酸化炭素(CO2)をクレジット(排出枠)として、15年間の長期にわたり購入し、安定的に都城地域の再造林活動を後押しする。温室効果ガス削減を目的に国が認証するJ-クレジット制度を活用する。20日、両者を仲介する農林中央金庫福岡支店との3者間で連携協定が結ばれた。 【写真】〈関連〉Jクレジットを活用した3者連携のイメージを図解で分かりやすく
同組合によると、都城地域の再造林率は2022年度65%で、宮崎県平均の70%台を下回る。1ヘクタール当たり180万円という再造林の初期費用が、高齢化が進む山主にとって負担になっているという。同組合ではJ-クレジットでの売却益を全額森林整備費用に充てることで、年間50ヘクタールの再造林面積拡大へつなげる狙い。 一方、30年度までに工場・事務所のCO2排出量実質ゼロを目指す自社プランに基づき、削減策を加速させている霧島酒造だが、同年度でも年間7000トンの排出は避けられない見通し。同酒造にとっては、購入したJ-クレジットで削減が困難な排出分を相殺できるメリットがある。 農林中金によると、再造林活動に関わるJ-クレジット購入は、全国の民間企業では2例目。江夏順行社長は「焼酎は地域の自然の恵みの結集。おいしい水を生み出す森林を守る取り組みを始められよかった」と語った。
南日本新聞 | 鹿児島
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